中井町古怒田在住の紙谷多佳子さん(73)が育て上げた蘭「タカコ」(デンドロビューム属ポリアンサム)が、2月7日から14日まで東京ドームシティプリズムホール(東京都文京区)で開かれた「世界らん展2024 花と緑の祭典」で最高賞の日本大賞に選ばれた。紙谷さんは「やっと夢がかなったという感じ」と、受賞を喜んでいる。
紙谷さんは44年前、友人からシンビジウムをもらったのをきっかけに蘭の魅力に気づいた。「育てるのが難しいイメージがあったけれど、毎年花をつけるのがうれしくて」と、胡蝶蘭やカトレアなど様々な種類の育成に挑戦し、現在では自宅の敷地内に建てた2つの温室でデンドロビュームとカトレアの原種を中心に丹精込めて育てている。
自身の名前を冠した「タカコ」は、花の個体の美しさと、全体のバランスの良さが評価され、438作品の中から大賞に輝いた。紙谷さんは「花期が短く、2週間ほどしかないので、温度や水の量を加減し、世界らん展の時期に咲くよう調整した。運が良かった」と振り返る。
朝晩のほか、時間があれば温室で過ごす。「虫がいるなとか、そろそろ咲きそうだとか、足を運べば何かしら気づくことがある。温室でお茶を飲む時間が一番ほっとする」と紙谷さん。蘭は品種も多く、育て方がそれぞれ違うため、温度調整のための温室の開け閉めは近隣住民が協力してくれることも。「私が体を壊したら蘭が枯れてしまう。そう思うと、元気でいなくちゃと思う」と、我が子のような蘭に目を細めた。
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