神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

二宮町の相沢さん 「平和の鐘」の精神 絵本に  日本人寄贈者の功績紹介

社会

公開:2016年9月2日

  • X
  • LINE
  • hatena
絵本『コインでつなぐ平和の鐘』を手にする相沢さん(写真中央)と村田町長。右は府川教育長
絵本『コインでつなぐ平和の鐘』を手にする相沢さん(写真中央)と村田町長。右は府川教育長

 世界平和を願い、65カ国の貨幣を集めて鋳造した「平和の鐘」をニューヨークの国連本部に贈った日本人がいた。寄贈者で宇和島市長を務めた中川千代治(1905―72)の足跡と後世へのメッセージを、二宮町のイラストレーター相沢るつ子さんが絵本『コインでつなぐ平和の鐘』にまとめ、日米両国で売り出された。

 愛媛県出身の中川千代治は日中戦争と太平洋戦争に出征し、ビルマ戦線で生死の境をさまよった。悲惨な戦争体験から「二度と戦争をしてはいけない」という思いを胸に、鎮魂と平和の推進に尽力。自費で参加した国連総会で「世界の人々のコインを入れて平和の鐘を造りたい」と訴えた。

 賛同した各国代表者やローマ法王などからコインが寄せられ、昭和29年、平和の鐘を国連本部に寄贈。その後も140カ国の元首に鐘のレプリカを贈るなどして平和運動に身を投じた。

 絵本の出版は、千代治の娘の高瀨聖子さんと相沢さんが昨年夏に出会ったことがきっかけ。高瀨さんの原案を基に、相沢さんが小中学生にも分かりやすい文章と絵を手がけた。日本語と英語が併記されている。

 今年は日本が国連に加盟して60周年にあたり、相沢さんらは6月、絵本を携えて国連本部を訪問。日本庭園にある平和の鐘が大切に管理されていたという。

 相沢さんは二宮町図書館に絵本を寄贈。8月24日には町役場を訪れ、国連本部の書籍コーナーと紀伊國屋書店ニューヨーク店で絵本の販売が始まったことを村田邦子町長に報告した。「戦争を知らない世代が増えた今、子どもにも大人にも読んでほしい」と話した。
 

大磯・二宮・中井版のトップニュース最新6

週末は「本」に浸ろう

大磯町

週末は「本」に浸ろう

ブックマルシェ18日、19日開催

5月17日

朝鮮通信使から見る宿場

大磯町郷土資料館

朝鮮通信使から見る宿場

兵庫県の市民団体が展示協力

5月17日

ランク戦でTKO勝利

湘南龍拳大橋波月さん

ランク戦でTKO勝利

ライトフライ級8位に

5月10日

後期 きょうスタート

大磯オープンガーデン

後期 きょうスタート

花の変化楽しむ 12日まで

5月10日

母校に「ただいマーティン」

大磯高校

母校に「ただいマーティン」

出身タレントが凱旋授業

5月3日

「盲導犬すごい」の先へ

二宮在住板嶌さん

「盲導犬すごい」の先へ

共生社会 考える機会に

4月26日

あっとほーむデスク

  • 5月17日0:00更新

  • 5月10日0:00更新

  • 5月3日0:00更新

大磯・二宮・中井版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

大磯・二宮・中井版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月17日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook