任期満了に伴う町長選挙が、大磯町と二宮町で11月18日に行われ、大磯町では現職の中崎久雄氏(76)が新人2人を得票数で上回り3選、二宮町では現職の村田邦子氏(61)が新人2人を退けて2期目再選を果たした。いずれの町民も現町政の継続を選択した。
大磯町中崎氏 「信念持ち務める」
2期8年にわたる町政運営の実績を掲げ、国・県と連携して進める明治記念大磯邸園や大磯港の整備など進行中の政策の継続を訴えた中崎氏に対し、元町議の玉虫志保実氏(59)は町民参画による協働のまちづくり、材木店経営の飯田修司氏(65)は大型事業に頼る町政の見直しを訴え選挙戦に臨んだが、現職続投を望む声に及ばなかった。
投開票日当日、中崎氏の選挙事務所には開票結果を待ちわびる支持者らが詰めかけた。午後10時30分頃に当選の知らせが入ると事務所は歓喜の声に包まれた。連絡を受けた中崎氏が少し遅れて事務所に到着し、集まった支持者から盛大な拍手と歓声で迎えられた。新宅文雄後援会長による謝辞の後、あいさつに立った中崎氏は「町の将来を決める避けては通れない問題が多数あるなかで、皆さんの信任を得ることができた。町民の負託を受けた町長として、ぶれることなく信念を持って務めたい」と決意を語り「給食や駅前整備などの問題についても皆さんとしっかり話し合って進めていきたい」と話した。
投票率は41・17%(男41・33%、女41・03%)。前回より約5ポイント低下し過去最低を更新した。
2氏が敗戦の弁
玉虫氏は「町が様々な問題を抱える中で、投票率が低かったのは残念。今回の結果を受けて町内でどのような動きがあるか見守りながら、もう一度町民の声を拾っていきたい」、飯田氏は「町を回り町民の声を聞く中で手応えを感じていたが、他候補と近い内容の訴えもあり票が割れてしまった。町政に町民の意見を反映させなければならない」と語り、2氏ともに来年に予定されている町議選出馬を検討していることを明かした。
二宮町村田氏 現職批判かわす
2期目を目指した現職の村田邦子氏にいずれも無所属の新人で元町議会議長の添田孝司氏(67)と元町議の脇正文氏(62)が挑んだ二宮町長選挙は、ラディアン周辺への庁舎移転や子育て支援の推進などを訴えた村田氏が再選を遂げた。現町政に異を唱えた新人両氏が村田氏の批判票の受け皿になり切れず、有権者は「続投」を選択した。
選挙管理委員会が午後10時30分に発表した2回目の中間開票速報で村田氏の得票数は6400。添田氏に1100票差でリードしていることが村田氏の選挙事務所に伝わると、同氏と支持者らが安堵の笑顔で万歳コールをした。
テレビ局や新聞社のインタビューに応じた村田氏は、2期目に向け「責任を持って町長としての務めをしっかり果たしていく」と表明。庁舎の移転整備や東大跡地の活用などに継続して取り組む考えを示し、「人口減少のなかでも安心して暮らせるまちづくりを進める」と抱負を語った。
投票率6割切る
「町の将来像がなく、4年間で何もしてこなかった」と村田町政を問題視した添田氏。住宅地としての価値を高める政策や庁舎整備計画の白紙化などを掲げた同氏は選挙結果に「政策が十分に受け入れられなかった」と述べ、「とくに女性有権者が同性のリーダーに期待したのかも」と話した。義務教育の原則無料化や町民参加による財政改革などを打ち出した脇氏は「準備不足だった。現状維持でよいという町民が多かったのだろう」と話した。
当日有権者数は2万4690人(男1万1890人、女1万2800人)。投票率は56・94%(男55・75%、女58・04%)で、前回より3・85ポイント低下した。
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