強い甘みと程よい酸味が特徴の地場ミカン「湘南のかほり」の初出荷に向けた選果作業が、11月25日に大磯町生沢のJA湘南大磯柑橘選果場で行われた。翌26日から県内5市場へ送られ、JAでは来年2月中旬までに約8トンの出荷を見込んでいる。
湘南のかほりは、JA湘南のブランドミカン。無加温のハウスで木の水分吸収を抑えながら栽培し、出荷直前まで木に成らせて成熟させることで、糖度12度以上・酸度1%以下の甘みと酸味のバランスの良いミカンに仕上げている。新鮮さや高級感を演出するため果実に枝と1〜2枚の葉を残し、1果ずつ鮮やかな赤い和紙で包むなど手間暇をかけて出荷されており、贈答用としても人気が高い。12月中旬までは早生品種の「宮川早生」、1月下旬から2月中旬までは「大津4号」が出荷される。
著名な生産地との差別化を図るため30年ほど前にブランド化し、生産農家も一時は8戸まで広がったが、高齢化による担い手不足などの影響で現在は大磯、二宮、平塚の3戸のみとなっている。
「他に負けない甘さ味わって」
初出荷に向けた選果作業には、大磯町西小磯の生産農家・二梃木治雄さん(77)の農園から約400kgのミカンが運び込まれ、選果場の職員が果実の色付きや傷の有無などを一つひとつ確かめながら和紙にくるみ、丁寧に向きを揃えて箱詰めしていった。今年の出来について「9・10月の日照不足が糖度に影響しないか心配したが、10月末から天気が持ち直したことで例年並みの出来になった。台風による被害もなく、良い状態で出荷できている。他の品種に負けない甘さを、ぜひ味わってほしい」と二梃木さん。4kg入り1箱3100円(税込)で、JAのネット通販「JAタウン」や、平塚市寺田縄にあるJAの大型農産物直売所「あさつゆ広場」(【電話】0463・59・8304)などで取り扱っている。
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