下飯田町の巨木山東泉寺(関水俊道住職)で3月12日、江戸中期に活躍した俳人で同寺とゆかりのある、美濃口春鴻(みのぐちしゅんこう)の句「人もかく 老て秋たつ 眉毛哉」が刻まれた句碑の除幕式が行われた。
春鴻(1733-1803)は相模国鎌倉郡下飯田村(現・泉区下飯田町)出身。松尾芭蕉門下、相模俳壇の重鎮で、晩年は大磯鴫立庵(しぎたつあん)庵主の後見人として活躍した人物として知られる。
今回刻まれた句は春鴻が49歳のとき詠んだもの。平和を願い1783年(天明3年)に建てられた同寺の山門「天明門」の修復再建のため、1993年に行われた工事でみつかった、山門の肘木に刻まれた5首のうちの一つだ。
同年の浅間山噴火で下飯田村でも地震が8日間、雨天が1ヵ月続き、各地で天明の大飢饉に見舞われた。多くの被害者が出たことに対し、復興の思いを残した句とされる。
関水住職は以前から句碑建立を考えていたが、「句が書かれた時代も大変だっただろうし、今も同じ。被害復興に向けた願いを受け継ぎたいと思った」と、東日本大震災から1年経つことを機に建立することを決めた。
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