地蔵原の水辺を再整備 老朽化、衛生面など考慮
夏場の水遊びなど区民の憩いの場となっている、いずみ中央駅前に広がる「和泉川・地蔵原の水辺」が再整備されることになった。完成から約20年が経ち施設・設備の老朽化や衛生面等を考慮し、市が再整備を決めた。10月末の完成を目指す。
再整備に異議
1993年に整備された同水辺は2つの池を中心に水路・通路等がある。上の池(じゃぶじゃぶ池)は子どもたちの水遊び場として利用されてきたが、衛生的な利用や安全確保に近年課題を抱え、同事務所は市道路局河川事業課と連携し、再整備を検討してきた。
池の水は一定量の地下水をくみ上げ、機械・電気設備により滅菌処理・循環ろ過しているが、設備の老朽化により不衛生な水質となり、乳幼児の誤飲による感染症等の健康被害が危惧されている。大雨時は浸水するためプールの衛生基準による管理等は困難で、上の池は設備機能不全により現在使用を停止している。
再整備で上の池は地下水の有効活用や衛生面、維持費を踏まえ、かけ流しに。上流部は一定の勾配をもつ狭あい水路とし、水の流れと動きをつくる。下流部は子どもたちが遊び・親しむために一定の広がりをもった水たまりを設ける。
下の池(生物池)は子どもたちの観察用に整備されているが、排水不良のためヘドロの堆積や水質の悪化等がみられる。再整備で周囲に2段のロープ柵を設け、排水施設改良により池全体への水の流れをつくる。
水辺内の通路はインターロッキングブロック舗装とし、木製階段の改修や芝生の張替え等を行う。
「水遊び池が眺めるだけの池になってしまう」と再整備を疑問視するのは、20年前に市職員として同水辺を企画・設計し、各地の河川整備に携わるの吉村伸一さん(吉村伸一流域計画室代表・区内在住)。
吉村さんは泉土木事務所から12年10月、再整備に関する意見を聞きたいと要請され、市河川事業課や土木事務所等と協議を重ねてきたが、再整備の図面を見て驚いたという。
階段状の滝の廃止、池の形状の変更、水路や池の深さ、玉石貼り、下の池への石貼り、上の池のデザイン等に吉村さんは異議を唱え「水深を浅くしてかけ流しにすれば今のままで安全・衛生面の課題はクリアできる。20年間問題がなかったのに、わざわざ危ない構造にするのはなぜ」と再整備の見直しと市による区民への説明責任を求める。
地元は賛成
同水辺がある和泉中央連合自治会の日並勇会長は「連合の定例会で了承を得た。新しい水辺に期待しており、賛成している」と再整備を歓迎している。
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