1590年ごろに建立された琴平神社(下飯田町)に約400年に渡り、受け継がれてきた歴史ある神輿がある。神輿渡御が行われる今年の例大祭は10月11日。威勢の良い掛け声や笛、太鼓の音と共に町を練り歩く、元木地区の秋の風物詩だ。
琴平神社は、寺や村の人々を境川の水難から守る等の願いから金比羅神を祀る金比羅神社として建立。1869年に神仏分離令により、仏教と切り離され、現在の名称になった。かつては毎年10月10日に例大祭が行われ、下飯田全域を練り歩いたという。
だが、長く使われるにつれ、神輿も老朽化が進行。破損の恐れが出てきたため、担がれなかった時期があるという。しかし、住民らの熱望により、50年ほど前に神輿渡御が再開。現在は体育の日の前日に例大祭が開かれるようになった。
不安視されていた老朽化の問題も2000年ごろ、修復により解消。職人が神社に泊まり込み、部品を漆や金箔で仕上げ、担ぐための棒も増やしたという。約700kgあるという神輿は50人ほどで交代しながら担いでいるが、「歴史ある神輿を担ぎたい」と他地区や他市からも参加希望の声が上がるという。現在は許可が出た人のみ参加できることになっている。
神輿を盛り上げる笛や太鼓を演奏するのは、地域の子どもと大人。1カ月以上前から稽古を重ねている。父親が祭囃子の指導にあたっていたという同地区の和田久光さんは「父が突然亡くなり、指導できる人が一時いなくなった。伝統は後世に残していかなければならない。今は演奏を録音したテープを手本に練習をしている」と話す。
泉区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|