4月に泉消防団の団長に就任した 石井 正志さん 和泉町在住 64歳
地域を最前線で守る
○…「非常時は横のつながりがないとうまくいかない。顔を知っていれば、話も対応もワンテンポ早い」。長年の経験から団と地域の連携の重要性は身に染みて感じている。4月1日付で新消防団長となり、目下、区や警察、自治会町内会など、関係各所との会合や調整で大忙し。「楽しいけど、大変」とこぼすが、自身の経験談や他府県の団の情報などを次々と語る姿は、充実感にあふれている。
○…第3分団に入団し、丸40年。「若手が足りなくて夜警くらいでいいっていうから、しょうがないなと思って入ったんだよ。まさか団長になるとは」と笑う。「あの家には高齢者がいる」「この道を通ると近い」など地域を知りつくした団員は、消防隊にとっても心強い存在。これまでを振り返れば、防災・防火活動はもちろん、消火活動に不明者捜索、さらに相鉄乗り入れ時に野焼きに協力したこともある。
○…生まれも育ちも和泉町。家業を継ぎ、電気工事店を営んでいる。機械関係の強さは筋金入り。学生時代は近所の人のちょっとした依頼に応じたり、秋葉原の電気街へパーツを買いに出かけたりする毎日を楽しんだ。職人らしく、名刺を差し出す手はゴツゴツとしているが、最近では「ハンダコテを持つ暇もないよ」と。時代とともに発災情報の伝達は無線からメールに変わったが、自他共に認める機械好きとしては、現場から伝わる緊迫感が薄れるようで、寂しさもある。
○…団員の定年は70歳。やる気も体力もある人は多く、みな地域貢献を生きがいにも感じている。だが高齢化に伴う人材不足は大きな課題。今ある「地域の力」を将来に渡って維持していくには、世代交代が不可欠だ。増員のためのPRや入団手続きの手間の軽減案など、いつも頭の中は消防でいっぱい。「非常時、真っ先に守れるのは、一番そばにいる地域の人」。その想いを胸に団員とともに泉区民のため、力を注ぐ。
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