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神奈川区版 公開:2013年4月25日 エリアトップへ

連載寄稿 イルカ博士の生命感動日記 【10】育児ノイローゼを防ぐ

公開:2013年4月25日

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 先日、ぼくはエレベーターの中で、たまたま赤ちゃんを抱いたお母さんと乗りあわせました。赤ちゃんは好奇心いっぱいの目を見開いてぼくを見つめています。こちらも思わず見つめ返すと、ニッコリ照れ笑いするのです。どこでも見られる光景ですね。この母親を中心とした家族間の愛の感情のやりとりが生物学的「子育ての仕組み」の始まりです。赤ちゃんの心の成長は、

この感情のやりとりの歯車がうまくかみ合えば、脳が認識して神経細胞が発芽、3歳ごろまでに大人の80%の神経回路が発達するので問題はありません。毎日ゆったりとした愛情たっぷりの気持ちで見つめあいながら、美しいやさしいものを見せ、聴かせ、触らせ、感じさせます。こうして赤ちゃんには、「お母さんはいいもの」という感性が生まれます。赤ちゃんは大人が想像する以上のことを感じ取っています。つまり、言葉がわからなくても状況は理解できます。人間の顔や場所、道具などイメージをそのまま「パターン」として認識しているのです。生後半年ごろの人見知りもそうです。このようにして、心の成長は始まるのです。

 この時期にもしも、不適切な環境(夫婦の不仲、離婚、暴力など)におかれると、それが成人後の「人間への不信感」につながります。そのような環境で育てられた赤ちゃんは、顔を見ただけでわかるといわれます。どことなく落ち着きがなく、陰気な顔つきです。最近、乳幼児のわがまま相談が増えています。母親は子育ての基本的ルールの権威者であるべきです。脳の神経細胞形成は、3歳から脳の前方にある前頭葉で意志・行動の配線が決まります。それまではパターン認識することをよく理解して、人間の行うべき日常生活の基本を厳しくしつけます。そして3歳を超えたころから優しくします。昨今はどうも逆のようです。初めにやりたいようにやらせることが、子どもの個性をのばすというのは何の根拠もない思い込みです。そのように育てた子どもは、3歳になると自我が出てきてわがままぶりを発揮。親はここではじめて厳しいしつけをとらざるをえない立場になりますが、はじめに厳しくしていないと、しつけの効果はあがらず、悪循環に陥って育児ノイローゼになりかねません。そうならないためにも、しつけは「はじめに厳しく、あとで優しく」母親の権威をもっておこなってほしいものです。

【日本ウエルネススポーツ大学特任教授・岩重慶一

(問)【メール】iwashige@gmail.com】

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