「湘南いちご狩りセンター」の代表 二宮(にみや)敏郎さん 寺田縄在住 59歳
地元の完熟イチゴを味わって
○…「これから2月中旬にかけて、イチゴが1番美味しい時期を迎えるんですよ」と、ビニールハウスを包んだ甘酸っぱい香りに目を細める。寺田縄にあるイチゴ農園の有志5軒で結成される「湘南いちご狩りセンター」は、今がまさに大忙しだ。近隣施設「花菜ガーデン」や「あさつゆ広場」とタイアップしたスタンプラリーの評判も上々。湘南の太陽を浴びた完熟イチゴを求め、県外から足を運ぶ来場者も年々増えている。
○…父の代から50年続くイチゴ農家の2代目。幼い頃も父の背中を追い、見よう見まねで畑仕事を手伝った。専門学校卒業後には、1年間渡米し農業の最先端技術を学ぼうと、現地農園の門を叩いた。「朝から晩までよく働いたと思う。仕事着に使っていたジーパンが3ヵ月でビリビリに破けてしまった時は驚いたよ」と白い歯をのぞかせる。
○…「農業も常に進化していかないと」と熱っぽく語る。新しい機械や栽培法も積極的に取り入れ、今では父が始めた当初よりイチゴ農園の広さを3倍までに育てた。後継者である息子には「俺と同じようにやっていては駄目。向上心を持って自分なりに学んでほしい」と親父の表情を見せる。
○…「イチゴはこうやって食べると美味しいんだよ」。来場者とはできる限り会話を交わすように心掛けている。そんな親しみやすさは農園を取り巻く地域にも注がれる。今まで続けてきた消防団の団長に抜擢。「忙しくなるけど、地域の人のために頑張りたい」と抱負を語る。
○…かつては30軒あったという金田地区のイチゴ農家も、現在は半分以下に減ってしまったという。地元の人にも、もっと平塚産イチゴを食べてもらいたいと、今年から地元生産者が作ったイチゴを「湘南ひらつかいちご」と名付けて市内のスーパーなどに届ける取り組みも始まった。「平塚の親父達が丹精込めて作ったイチゴを味わってほしい」とにっこり微笑んだ。
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