平塚警察署の第65代署長に就任した 村松 康夫さん 市内在住 59歳
釣竿置き治安の舵握る
○…19年ぶりに戻った平塚は大型商業施設の誕生で車の往来が激しくなっていた。事故件数が県内屈指といわれる平塚の地形にふれ「平たんな道が多いゆえ自転車が絡む事故に注意」と警鐘を鳴らす。平塚警察署に着任後の訓示では「和と連帯」にくわえ「市民感覚」を全署員に求めた。「市民の皆様との対話を多く持ち、地域の安心と安全を地道に呼びかけていきたい」と力を込める。
○…横浜市港南区に生まれた。小さいころは野球少年で毎日遅くまで白球を追った。一方「恥ずかしがり屋」だった高校時代はフォークソングに傾倒。ギターの腕を磨くも、内気な性格から「人前で演奏したことはなかった」そう。同じころから釣りにものめり込み、三浦海岸によく通った。「魚の居場所を推理してそれが当たった時の達成感がたまらない。それが醍醐味だよ」とうれしそうだ。
○…大学では物理学を専攻したが、進路を見据えた時「機械を相手にするのではなく、人と関わる仕事がしたい」と考えた。入学後に父を亡くし、周囲に助けられた経験から人とのつながりを大切に守りたいと思うようになった。そこで目指したのが県警だった。大さん橋交番から始まり、各地の警察署では青少年育成や非行防止にかかわる生活安全部で多くの時間を過ごした。道を踏み外した少年たちとわが子を重ね、親心で更生の道を模索してきた。2度目の着任となった平塚はお気に入りの街で「景観が美しく富士山を背景に流れる渋田川の桜は最高だよ」と相好を崩す。
○…来年60歳を迎える。「定年退職の日まで地元や市と連携しながら安全安心のため頑張るのみ」ときっぱり。つねに平塚を離れず有事の際に急行するため、署長である間は大好きな釣りもやらないと決めている。「今は職務に集中するだけ。悔いを残さずやり切りたい」。宝物である釣竿を押し入れにしまい、治安の舵取り役に徹する。
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