赤や青、白など色とりどりの花を咲かせるアジサイ。羽沢町で30年以上前から栽培を続けている小川誠さん(60)のハウスは現在、出荷のピークを迎えている。今シーズンは6月半頃まで、約1400鉢を市場に送り出す。
県内で数件しかいないというアジサイ農家。その一人が小川さんだ。「地方の大規模農家にはできないことをしないと生き残れない」と、8号以上の大きめの鉢を中心に14品種を栽培する。土や肥料、水素イオン濃度などを徹底管理し、鮮やかな色がでるように育てている。「8号鉢なら最低でも10輪はつけたい」。一般的に1年で出荷するところを、じっくり2年の歳月をかける。寄せ植えではなく、一株で育て上げるのが小川流だ。
「オタフク」で成功
小川さんは畑作農家の次男として生まれた。「兄が会社員になったから仕方なく継いだ」と、大学卒業後に施設園芸の道へ。研修先で出会ったのが「シクラメンとアジサイ」だった。経営の柱はシクラメンだが、アジサイへの想い入れは強い。アジサイの栽培で一番難しいのは、鮮やかな発色をうながす「色だし」だという。「栽培を始めて数年は思うように色が出ず、やめようと思ったこともある」と当時を振り返る。
ターニングポイントとなったのは「梅花咲紫陽花(あじさい)」(通称オタフク)との出会いだった。市場関係者の勧めでいち早く栽培に着手。これが軌道に乗り、都市近郊農家の先駆者として知られる存在となった。
出荷のピークを迎えた現在、夫婦二人三脚で大小6棟のハウスで汗を流す。「あきらめなくてよかった。身体が動く間は続けていきたい。それがお客様への恩返しです」と話している。
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