横浜創英高校=西大口=の山口茉利さん(2年)と長尾優貴子教諭がこのほど、神奈川県が主催する第3回「いのちの授業」大賞で大賞(知事賞)を受賞した。2人は1月30日、横浜関内ホールで行われた表彰式に参加し、黒岩祐治知事から感謝状が贈られた。多くの観客の前で授業内容を紹介したほか、作品の朗読も行った。
3回目となる「いのちの授業」大賞。いのちの授業とは、学校の授業や行事、地域での活動など、様々な場面で「いのちの大切さ」や「他人への思いやり」などを伝え、ともに学びあう取り組みのことだ。
県は2015年6月1日から10月16日まで、子どもたちに「いのちを大切にする心」を育むことを目的に県内の児童・生徒から感動作文を募集。集まった4284作品(小学生の部1339作品、中高生の部2945作品)の中から、黒岩知事らが審査員として名を連ねる審査会で各賞を決定、10作品が選ばれた。
安楽死に反対涙ながら訴え
応募のきっかけは1年前。山口さんの作品『大切な、命』には、長尾教諭が現代文の授業で『高瀬舟』を扱った際に、安楽死をテーマにディベートが行われた様子が語られている。
「延命治療は経済的・精神的に家族の負担になる」。討論会は様々なデータを駆使し、正論を並べる賛成派グループに軍配が上がりかけていた。これに異を唱えたのが、脳に障がいのある姉がいる山口さんだった。「希望を持ち、支え続けるのが家族という存在なのではないでしょうか」。涙ながらに訴える山口さんの姿に、賛成派の心もゆさぶられた。一部始終を目の当たりにした長尾教諭が「山口さんの言葉を、思いを多くの人に伝えたい」と同賞にエントリーした。
大賞を受賞した山口さんは「議論していくうちに、姉への強い思いを再認識した」と当時の授業を振り返り、「(姉のためにも)将来は遺伝子研究の道に進みたい」と笑顔で夢を語った。長尾教諭は「教科だけでなく、命の大切さを教えられたことがうれしい」と喜んでいた。
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