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 地域医療特別取材 相模原協同病院 井關病院長新型コロナ語る

社会

公開:2020年6月18日

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独自の研究を続けてきた井關病院長
独自の研究を続けてきた井關病院長

 循環器系の専門医として、新型コロナウイルス感染症に対し、独自の研究を続けてきた相模原協同病院(橋本)の井關治和病院長。同院が感染症指定医療機関に指定されていることで、今年1月から市の保健所と協力して、様々な対策を続けてきた。その上で、「現在の相模原の現状を知ってもらい、市民のみなさんに安心してもらいたい」と話す。

 新型コロナウイルスの感染拡大には、様々な指標があるが、単純な感染患者数よりも、人口10万人当たりの患者数の増減が一つの大切な指標になると分析する。相模原市は1月初旬、中国・武漢経路の感染により、県内でもいち早く新型コロナ感染の患者が発覚。当時は、まだウイルスの正体もわかっておらず、2月には県内のどの地域よりも早く感染のピークが訪れたと振り返る。その後、3月には一旦落ち着きをみせるが、4月に第2波がきたと説明。この時は、海外渡航者よりも東京や横浜などの大都市圏から持ち込まれたケースが多かったと推測する。

 「相模原市は全国と比べても、早い段階での感染が見られ、感染の波も早かった。しかし、現在、県内や全国とも比べても、感染は落ち着いた状況にある。これは、市保健所が1月の感染患者が発覚した当初から、クラスターつぶしをして徹底的に感染経路を調査し、感染防止対策を強化した成果」と強調する。その他も実効再生産数(1人の感染者が平均で何人を直接感染させるかを示す数値)、K値(過去1週間の累積感染者数増加率) などの指標からみても落ち着いた状況といえるので安心して欲しいと説明する。

問診の大切さを指摘

 感染症の検査に対しては、問診の重要性を強調する。「当院は感染症の指定医療機関としてのノウハウや豊富な経験もあり感染対策室の医師が問診すると大体、新型コロナに感染しているかどうかわかる。さらに、感染症の患者専用の病床がある。感染患者と一般患者と交わることがないのはとても大切なことで、こうした取り組みを行っているのは当院だけ」と話す。さらに、職員に対しては検査を徹底し、安心して医療に従事できる環境を整えている。

 3月初旬に同院の研修医の新型コロナ感染が発覚した時も、徹底的に調査。研修医の所属病棟の全職員や患者など計133人の検査を実施したが、全員が陰性で院内感染はなかったと判断した。研修医が直前の有給休暇中に感染したことが判明したという。「今月からは全職員に抗体検査を実施し、職員、患者双方に安心してもらえるようにしたいと思っている。しかし、有効なワクチンや薬ができて初めて完全に安心できるので、しばらくは色々なツールを使って対応していきたい。今月から市民を対象に抗体検査を実施しているが、そうした思いから始めたこと」と話す。

徹底した手洗いを

 現在、相模原市内の感染状況は落ち着いているが、感染の経路を見てみると、マスクの効果もあり、くしゃみ、咳、つばなどによる「飛沫感染(3密により主に感染)」はかなり抑えられ、「接触感染」が圧倒的に多いという。接触感染は、感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつく。他の人がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ると粘膜から感染するというもの。「病院内の感染でも飛沫よりもエレベーターボタンやエスカレーターの手すり、パソコン検索のキーボードを触った手や指から感染するのがほとんど。その対策として手洗いが何よりも大切」と忠告する。

 「新型コロナ感染のリスクにより、ここ数カ月世の中が委縮しているが、病院はコロナだけでなく通常の病気を治すのが本来の大切な役目。患者も職員も安心して働けるよう地域医療を守っていきたい」と話した。
 

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