世界が抱えるさまざまな問題を解決するために国連で定められた「SDGs」(持続可能な開発目標)。元旦号に引き続き、相模原市SDGs推進室の室長を務める丸小野美紀さん、共に積極的にSDGsの推進に取り組む相模原青年会議所(青年会議所は以下JC)の飯塚侑理事長、津久井青年会議所の久保武史理事長の3人による座談会と、相模原市出身のトップモデルで、2019年から消費者庁エシカルライフスタイルSDGsアンバサダーとして活動する冨永愛さんのインタビューを紹介する。
―市はJCにどんなことを期待していますか。
丸小野 JCには相模原をより良いまちにするためのさまざまな取り組みを進めていただいています。特に時代を読む力やスピード感、情報発信力はすばらしい。SDGsは「意識が高い」「きれいごと」などという印象を持たれる場合もあり、必要性を訴えてもなかなか行動につながらないような部分があると思います。そこで、JCの若いパワーや人を巻き込む力を活用し、「SDGsに取り組むことはかっこいい」「当たり前」という雰囲気を醸成していただきたい。これまではJC主体のSDGs推進事業に市が参加するという形が多かったのですが、今後は計画段階から連携してより良い事業展開を図りたいと考えています。
「パートナー制度」で取り組み加速
―次に、それぞれの特徴・特性に合わせた取り組みを教えてください。
久保 津久井JCは恵まれた自然を生かした取り組みです。そして、行動できる人間を育てていかなければいけないので、子どもたちに自分で考えてもらう機会を多く作りたいと思っています。
飯塚 相模原JCは経営者、企業幹部、サラリーマンと、以前よりもメンバーが多様化して、風土が変わりつつあります。だからこれからは、その多様性をしっかり生かしていくことが重要だと思います。
丸小野 行政の特徴は、市民一人ひとりとの距離が近いことと、幅広い分野・世代の人と接点があること、それらを生かした普及啓発を行えるということです。例えば、市役所ロビーや公共施設などでSDGsの展示やポスターの掲示、リーフレットの配架など、広く周知ができます。また、小中学校の総合学習などでSDGs授業を実施したり、大学生への食材配布事業を通じて啓発などを行ったりしています。2つ目は、さまざまな分野の団体とのつながりです。経済、環境、社会、あらゆる分野のつながりがありますので、市民、企業、団体をつなぐ役目ができます。それぞれの取り組みをつなぐことができる特徴を生かし、昨年「さがみはらSDGsパートナー制度」を創設したところです。
飯塚 その制度については、パートナーに登録された後のことをみなさん気にされると思います。
丸小野 はい、決して登録して終わり、ではありません。コロナの状況を見ながら、まずは行政も含め、パートナー同士のつながりを深める場を作っていきたいと思っています。そして、取り組みの事例を発表していただくなど、パートナーであるメリットを何らかの形で示していかなければと考えています。
飯塚 相模原市独自のSDGsアワードとか、開催しないのですか。
丸小野 一昨年、JCが開催していましたが、市が参加することで、よりオフィシャルなものになるのであれば、ぜひ一緒に企画段階からアイデアを出し合えればと思っています。
飯塚 やりましょうよ、ぜひ。市と津久井JCと私たちと、一緒にやったらおもしろいですね。
久保 そうですね。パートナーにエントリーはしているけれど、積極的な取り組みはまだ始めていない、という人もいるかもしれませんしね。
飯塚 実現すれば、パートナーに登録された人たちの取り組みが、より加速すると思いますよ。
第3回へ続く