―冨永さんがモデルを始められた頃と今とでは、SDGsの取り組みの様子は違いますか。
「全然違います。今は見なくなりましたが毛皮なんて当時は山ほどあったし。キャリアが長いので時代は変わりますよね(笑)。でもそれは良い変化だと思っています」
―ファッション業界にも、環境や人権などの問題に注目されている人は多いのですか。
「そうですね。注目せざるを得ないと思います。コロナ禍で言うならば、リアルな交流ができなくなってしまいましたよね。パーティーだったりイベントだったり、ランウェイだったり。そういうリアルな表現ができない以上、デジタルで世界観を発表、表現していかなければならない。今までブランドの表現の仕方というのはランウェイだったりイベントだったり、限られていたと思うんです。コロナ禍では多様な表現をせざるを得ない。リアルができないなら、どうブランドの世界観を表現していくかと考えた末に、短編映画を作ったりデジタル上でプレゼンをしたり、そうやってより多様な表現の仕方を模索しているのだと思います。ある意味ではすごく広がりができたと思うんですよ。そう考えると今、ブランドや企業の方たちがどうやって売っていこうかと、ものすごく考えているんだと思うんです。それは逆に考えるとこれからの未来に対しては、良いことなのかもしれないですね」
―その道筋の一つとしてSDGsがあるということでしょうか。
「そうですね。SDGsというのは理念でありビジネスとしても成り立たせないといけないことだと思うので、両立しながらやっていくことになるんでしょうね」
―企業としてはやはりビジネスにつながらないと取り組みにはつながっていかないと。
「はい。私自身は、ビジネスをきちんと考えることは良いと思うんです。ビジネスにしていかないとSDGsというものがちゃんと私たちの生活の歯車として回っていかなくなってしまうと思うので、そこをうまく回していくにはビジネスとしても成り立たせていかないとならないと思います」
―ファッション産業では、どのようなビジネスへのつながりが考えられますか。
「一つ目はやはりイメージ戦略ですよね。ファッションに限らずどんな企業でもそうだと思いますが。これから先、一般の方たちも(企業が)どんな活動をしているかというのはすごく注目してくると思うので。そういった意味では大事なことだと思いますし、さらに言うと、それがちゃんと消費者にわかるように透明化されることも重要になりますよね」
地味な行動も大きな変化に
―冨永さんが普段から実践されているSDGsとは何でしょうか。
「細かく言えば、マイボトルやマイバッグを持ち歩くというのが基本にあって。あとは冷蔵庫の中身を把握してから買い物に行って、できるだけ食品ロスを減らすとか、プラスチックをなるべく減らす、電気をこまめに消す、水を使いすぎない。地味かもしれませんが、多くの人が気にすれば大きな変化になりますよね。ファッションで言うとブランドの背景を知って買い物したりとか、服だけじゃなく物を買うときは長く使えることを意識してチョイスしています」
―息子さんともそういう会話はあるのですか。
「ありますよ。こういった物が今良いよとか、これ知ってる?とか、よく話はします」
―息子さんからの提案もあるのですか。
「息子に限らず若い子たち、10代の子たちって、小さい頃から学校でSDGsじゃなくても環境問題を勉強してきているし、30、40代の人たちの子どもの頃よりも、環境問題ってかなり現実的なものになってきている。そういった勉強をしてきているんですよね。SDGsの活動を通して、学生さんたちとの関わりもありますが、もしかしたら大人より子どもの方が意識は高いのかもしれないと思うことは多々あります。日本のSDGs認知度は2015年には約10%だったのが、最近では約30%になっている。それでも少ないとは思いますが、5年前よりは増えてきていますね」
【第3回へ続く】
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