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さがみはら緑区 社会

公開日:2023.10.05

ヤマビル対策に食酢
3者連携で実証実験

  • 草山に食酢をかける関係者ら

 昨今、中山間地域で多発している「ヤマビル」の被害。その被害を少しでも減らそうと、JA神奈川つくいと相模原市、神奈川県がこのほど、ヤマビル対策に踏み出した。3者が連携しヤマビル問題に取り組むのは今回が初めて。

 山間地域の草地や森林など、暗く湿気の多い環境を好むヤマビルは昔から丹沢の山奥に生息しており、動物の血液を栄養源としている。人が刺されても毒性はなく痛みはほとんど感じないが、出血が1〜2時間ほど続くことが多い。主にシカやイノシシなどの野生鳥獣の血を吸って生きているが、それらの生息場所拡大や登山客への寄生により、ヤマビルの生息域も拡がっており、現在では、津久井地域の相模川以南のほぼ全域で被害が見られるという。

 JAには農家や地域の人から「農業をやりたい人の妨げになっている」「ハイカーが下山時にヤマビルを落として帰るのも困る」などの悩みが寄せられていた。今までは市の活動支援費を活用していたが増え続ける現状を改善したいと、JAと市、県が対策に取り組むことになった。また、麻布大学(中央区淵野辺)でヤマビルを研究する学生もこれに加わった。

 9月下旬に青根地区で実施されたのは、ヤマビルの生息数の調査と、効果があると言われる食酢の実験。シカやイノシシが確認されている畑を除草して草山を作り、そこにヤマビルを誘導、数日後、草山に10%ほどに薄めた食酢をかけ、その効果や死滅数を調べるというもの。草山に一定数のヤマビルが目視で確認された後、実験を開始。残念ながら、死滅数は草と死骸の判別がしにくく計れなかったが、食酢をかけた草山からは生体は確認されなかった。今後、さらに実験を繰り返し、検証していくという。

 JA担当者は「安価に入手できる酢酸(食酢)が効くことを知り展望が広がった。今後、効率的な駆除方法を県や市と共に見付け出し、農家の一助になれば」と期待を寄せた。

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