市内初、神奈川県内では3校目となる中学校夜間学級(夜間中学)の開設を間近に控え現在、準備が進められている。
夜間中学は戦後の混乱期などに義務教育を修了できなかった人や、外国籍の人などを対象とする学びの場として公立中学校に付設される学級。市は4月、県立神奈川総合産業高校(南区文京)の校舎内に、隣接する大野南中学校の分校として夜間中学を設置することを決定している。
市によると開校式は4月23日(土)。入学式も同日に実施する。初年度の入学予定者は1年から3年生まで計18人で、12人が外国につながりを持つ。在住地は市内10人、市外8人。年齢は10代と20代が合わせて11人、30代以上が7人で、希望申請をした人全員が入学予定。
昨年8月から10月まで4回にわたり市は、入学希望者向けの説明会を実施。うち3回が緊急事態宣言中だったことから11月にも追加で行い計30人の参加があった。横浜や川崎の夜間中学の生徒数に照らして市は当初、入学希望者を各学年10人、全体で30人程度と見込んでいた。初年度入学者数について市は、「コロナ下にもかかわらず30人に説明会に参加していただき、入学される方が18人いたことは結果としてはよかったのではないか」と受け止めている。
教員は各教科一人、非常勤や養護を含め全部で15人前後を予定。市内の中学教員に希望調査をしており、それを踏まえ4月1日付で人事を発令する。県からは4人が派遣される予定。日本語専門指導者やスクールカウンセラーの準備も進める。
一般の中学では年間1015時間の授業数が確保されるが夜間中学では700時間程度のため短縮した時間割りが組まれる。市は「基本的な時間割りは作るが、日本語の習熟や学力の度合いを考慮し個別の指導計画を立てていく予定」と話す。
3月下旬に入学者説明会を行い、4月上旬に教員の研修や学校運営体制など最終的な受け入れ態勢を整える。市は、「現段階でクリアすべきことはないが、開校してからさまざまな課題が見つかることは考えられる」としている。次年度も入学説明会を7月頃から実施し、周知を図る構えだ。
研修や周知「強化を」
市に夜間中学開設を働きかけてきた「相模原の夜間中学を考える会」の吉田惠一代表(69)は「学びたいという気持ちを第一に考える学校にしてほしい」と期待する。一方、さまざまな生徒に対応する教員の質を高めるための研修の充実や周知の必要性に言及。日本語指導などのボランティアや学校見学の受け入れなども市に求めていく考えを示した。民間有志が自主的に開く「自主夜間中学」の設置も進めていく意向。同会の角田憲司さん(71)は「年齢性別、国籍にかかわらずもう一度学びたいという人たちに門戸が開けたことは大きい」とし、昼間の中学で不登校になっている学齢生徒を受け入れられる特例校申請も働きかけていく考えを述べた。
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