諏訪小 れんがのルーツ学ぶ 新校舎のベンチ作り体験
市立諏訪小学校で今月19日、「れんがベンチ」を造るワークショップが開かれた。横須賀の歴史と深い繋がりのあるれんがを使い、今夏に完成予定の新校舎内に新しいシンボルを制作。郷土と学校への愛着を深めてもらいたいと実施された。
現学校施設の老朽化に伴い、新校舎への建て替え工事が進んでいる諏訪小学校。同ワークショップは、今夏の竣工に向けて完成に近づく新しい学び舎を身近に感じてもらいたいと市によって提案された。学校側も「普段の授業では学ぶことのできない貴重な経験になる」として快諾し、れんがベンチ作りが始まった。昨年から数回に分けて市職員がれんがの特徴や発祥などの解説をする出前授業を行い、10月から12月にかけて5・6年生が全18基のデザインに取り掛かった。ベンチの形は全て異なり、立方体やイスの形などどれも個性豊か。新校舎の一部壁面にもれんががあしらわれ、西洋風の趣きのある中庭一帯は、今後児童たちの憩いの場として利用したいとしている。
この日、制作に参加したのは6年生63人。実技指導は実際に同校の新校舎建設を請け負っている建設作業員らが担当し、モルタルの作り方やれんがの置き方などを細かく説明した。既に建設業者によって8割ほど完成していたベンチの残りのパーツを置いて、最後の仕上げを行った。初めての作業に児童たちは興味津々の面持ちで「真っ直ぐに置くのがすごく難しい」「もっときれいに塗らなきゃ」などと相談し、モルタルを延ばした土台に慎重な手つきでれんがを積んでいった。できあがりを見て「ちょっと斜めだったかな?」と不安げに話しながらも指導員から褒められると嬉しそうな表情を浮かべていた。
横須賀とれんがの深い縁
市内で初めてれんがが作られたのは、1866年。フランス人技師ヴェルニーたちの指導により横須賀製鉄所で製造。れんがは近代化の影響をうけて、観音埼灯台建設のような西洋建築に用いられていった。
現在でも横須賀水道の起こりの走水水源地煉瓦造貯水池やJR横須賀線のトンネル・浦賀ドックで当時の技術を見ることができる。また、猿島要塞は明治初期に主流だったフランドル積みという技法で造られているが、国内で同時期に建てられたものは既に取り壊しが進み、残存する建築物としては非常に貴重である。
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