閉園のピンチ救う 新理事長 赤穂さん
「あこうせんせい、おはようございます」。子どもたちの元気いっぱいな挨拶を受け、真っ赤な職員用ジャンパーを羽織った赤穂幸男さん(78)が園児たちをバスに迎え入れる。赤穂さんは今年の4月にケンコウ幼稚園(小原台31の1)の理事長に就任したばかり。「子どもたちや保護者の顔と名前を早く覚えたいから」と、ほぼ毎日送迎バスに同乗している。
同園は、今年1月に闘病中だった園長が亡くなり、臨時で職員が業務を代行していた。一昨年には、園長が自身の病状から園の存続を危惧し、在籍する園児が卒園する3年後の閉園を断腸の思いで決断。ところがそれを知った関係者から園の存続を求める声が上がっていた。
赤穂さんは鴨居生まれ。中学校教諭として市内の中学や高校の校長を歴任するなど、35年間教育一筋。定年退職後、自閉症児と関わるNPO活動などを行っているところに園長職の話が舞い込んだ。急な申し出に一旦は辞退したものの、園を運営面からサポートする理事長職を引き受けることに。周囲からは「これで閉園の危機が去った」と安堵する声が上がったという。「話が来たときは戸惑ったが、中学生から幼稚園児を相手にすることに不安は一切なかった」と赤穂さん。園児たちは大人たちの表情の変化に人一倍敏感。職員たちがいつでも笑顔で接せられるよう、働きやすい職場をめざしている。
先日、新園長が決定。来年開園40年の節目迎える同園は、新しい理事長・園長と共に再スタートを切った。
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