横須賀市は来年度から猿島公園の有料化や、一部市民サービスの手数料を値上げする方針を固め、今議会の予算決算常任委員会に議案を上程した。厳しい財政の状況改善とサービスの向上が目的。今年4月には消費税の増税に伴い市施設利用料金等が値上げされたばかりで、市民の負担が増えそうだ。
市は逼迫する財務状況の改善と市民サービスの向上を目的とした、公共料金等の増額改定を求める議案を今議会の予算決算常任委員会へ上程した。12月15日(月)に行われる本会議で可決されれば来年度から施行される見通し。
来年4月から使用料の徴収が始まるのは、中央斎場(坂本町)の火葬手数料。昭和44年から市民に限り無償だったが、コスト増により有料化を検討。市民は12歳以上1万円、12歳未満6千円を徴収し、市外在住者については最大1万円、遺体保管庫の使用も1日1体あたり2千円値上がりするという。
もう1つ有料化導入が審議されているのは、猿島公園の入園料について。年間予算3千万〜4千万が島内施設の維持管理費に充てられているが、予算不足で手が回らなかった島の外周や法面、文化的遺産周辺の樹木の剪定や散策路の補修、遺産保全などに使われる。
料金設定は過去の平均入園者数と今夏実施の来園者アンケートに基づいて算出。徴収方法は検討中だが、小中学生100円、15歳以上200円の入園料を渡船費とは別に課す。審議する議員からは「団体割引や減免も適用すべき」「料金をもらうからには目に見える変化を」との声があった。猿島公園は年々来園者が増え、来春にも国指定史跡に登録見込みでさらなる増加が期待。市の試算では年間約2千万の増収となる。
増える市民負担
小動物の死体処理における火葬費用と、し尿・浄化槽内汚泥の収集手数料の引き上げも来年7月に試行される見通しだ。
現行の小動物火葬費用は一律2060円。しかし、個体の大きさにより燃料費や作業工程が異なり、利用料金に対して作業経費が上回っていることから重量制で4区分の料金体系を設ける。また、無償だった返骨も工程が煩雑なため2千円に引き上げる。
し尿の収集は、月額1人あたり100円から200円に増額。今年10月の下水道使用料値上げの影響で処理経費が増加、県内他都市と比べて低額でサービスを受ける個人の負担額(受益者負担)が低いこと等を理由に適正料金に改める。
下水道使用料のほか、消費税の増税に伴う市の施設利用料改定を断行した今年に引続き、来年も値上げが目白押し。財政健全化にやむなしとはいえ、負担増を強いられる市民からは戸惑いの声があがっている。
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