横須賀市は、国民健康保険(国保)特定健診受診者のうち、保健指導を受けた人を対象に、市内のフィットネス施設を無料で体験利用できる取り組みを開始した。県内初めての事業で、特定健診や指導の受診率を高めるとともに、生活習慣病のリスクを軽減するのが狙い。
生活習慣病などの改善・予防を目的に、2008年から40歳〜74歳を対象に実施されている特定健康診査。メタボ健診とも呼ばれ、問診のほか、血圧・血液検査、身体計測などを行うもの。横須賀市では、国民健康保険被保険者に対して受診券を送付、市内の対象医療機関で健診を受けることができる。その結果に応じ、生活習慣病リスク軽減と改善に向けた無料の「特定保健指導」を行っている。
低迷する保健指導受診
昨年度、国保対象者で特定健診を受けた市民は28・5%(速報値)で、受診率は前年度より微増。しかし、そのうち「特定保健指導」を要する人の割合は12%程度と言われる中で、市内では受診者が2%前後に低迷しているのが現状だ。
市では、保健指導を受ける”動機づけ”として、フィットネス施設の「無料利用券」を提供する取り組みを始めた。保健指導の初回面談後、施設を選び=左表=利用券を受け取る仕組み。無料利用は施設によって異なるが、基本は1回限りとなる。
医療費増加も背景に
横須賀市では、国保加入者1人あたりの医療費が増加傾向で、県平均と比べても1割近く高いという実状もある。さらに、生活習慣病関連疾患の医療費割合は全体の約3割を占めており、30〜40歳代で急増し、60歳代で最も高くなっているという。市では「リスクの高い人が、必要な保健指導や医療に繋がっていない」と分析。昨年度から保健指導の自己負担額を無料にするなど、受診勧奨に力を入れている。市担当者は「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、動脈硬化や脳梗塞などの病気につながると言われる。これらを未然に防ぐためにも、生活習慣病改善のひとつとして、フィットネス施設の体験利用が運動を取り入れるきっかけになれば」と話している。
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