規格外や包装の破損などで商品として売ることができない食品を引き取り、福祉施設や経済的に困窮している世帯などに届ける「フードバンク事業」を、横須賀市内で展開しようという動きがある。発起人は、三春町で心理相談室「安見会」を開いている北村光二さん。「フードバンクよこすか」として、年内のスタートを目標に開設準備を行っている。
6人に1人の子どもが、平均的な生活水準の半分以下で暮らしている―。2012年の国民生活基礎調査で明らかになった、子どもの貧困率は16・3%。「就労していても、収入が安定しない」「ひとり親で経済状況が厳しい」など、生活困窮世帯が増えているという。県や市ではそれぞれ、就学・就労支援、学習環境のサポートなど「子どもの貧困対策」を進めているが、日々の生活を取り巻く困窮状態は「見えづらく・相談しづらい問題」と言われる。
一方で、包装の破損など、品質には問題がないが「出荷できない食品」が廃棄される「食品ロス」も拡大しているという現状がある。
食の繋がりで支える
この2つを繋ぐのが「フードバンク」の取り組みだ。企業や団体などに市場で流通できない(売れない)食品を提供してもらい、福祉施設や困窮家庭などに無償で直接届けるというもの。国内では、10年ほど前から活動団体が立ち上がっており、県内では「フードバンクかわさき」が個人世帯への支援を行っている。
同団体の趣旨に賛同し、三浦半島地域での立ち上げを進めているのが北村さんだ。市内で依存症、摂食障害などの心理相談のほか、DV被害者のシェルターを運営しており、「経済的な理由で自死を選択する人を減らしたい。食の繋がりで支援できたら」というのが、開設への思い。食品の提供は、企業や団体・個人などに寄付を呼び掛け、配送や仕分けなどのボランティアを募っているところだという。「規格外の野菜や、賞味期限の迫った防災備蓄食料など、行き場のない食品を活用したい」と北村さん。さらに「困窮状態をどこに相談すれば良いのか分からないという人も多い。市内の団体とも連携し、品物だけでなく情報も届け、自立を支えたい」と話す。
同会では年内の稼働をめざし、10月24日(土)(午前10時〜)・11月18日(水)(午後7時〜)に、ヴェルクよこすか第6会議室で開設準備会を催し、賛同の声を広げていく。詳細は、北村さん【携帯電話】080・3025・3092
県内では、各地域の活動を連携させた「フードバンクかながわ」の設立準備も進んでおり、10月17日(土)には、かながわ労働プラザ(横浜市中区)で講演会と交流会が行われる。午後6時から。詳細はhttps://www.facebook.com/foodbank.kanagawa
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