PTA今ドキ事情その3
今週行われた、常葉中学校の卒業式―。卒業生に贈られた花束を準備したのが同校の「おやじの会」だ。母親の参加に偏りがちなPTAの活動で「おやじパワー」を活かしたい、と力を入れている。父親たちが学校と関わりを持つことで、双方に変化は生まれたのか。
「おやじが頑張っている姿を見せたい」
「おやじの会」の結成は、今から20年以上前に遡る。荒れる校内の様子に、教職員やPTAも困惑していた。そこで、「おやじ」の出番―。「子どもが発散できる場所づくりを」と手始めに武山で畑を開墾し、農園を作った。現在は、農園での教育活動のサポート(雑草取りや管理・運用)を中心に、体育祭では焼きそばのふるまい、年末にはもちつきなど、おやじならではの動きを見せる。特に農園に関しては、総合学習の柱として「ふれあい体験」の中心的な役割を担い、生徒たちにとっては、癒しの場にもなっている。おやじ達の「きっかけ」が学校に変化をもたらしたケースだ。
「おやじ」の組織作りとしては全国的にもスタートが早い同校。学校・PTAとの関係は「三位一体」と話す。独自の会費はなく、持ち出しで運営をしている現状だという。活動時間が限られているが、「できること」を考え、参加しやすい日程や運営方法など、体制を少しずつ整えてきた。現役の会員は10人前後、日々の活動にはOBを含めて20人近くが参加。「学校の在り方、教職員やPTAの大変さが分かった」と会員は口を揃える。「学校や子どもについて知る機会が増えた」「家で学校の話をするようになった」など、風通しの良さへとつながっているという実感がある。
鶴久保小学校のおやじの会(銀杏の会)は設立から7年。PTAの下部組織として運動会など学校行事のサポートや、学区の防犯活動を行う。学校や地域の情報交換の場としての役割も持つ。「父親自身も、子どもにとってもプラスになっていると感じる」と副代表の間宮さん。「子どもたちのために父親ができることのひとつだと思う」。
PTAへの父親参加は、やはり母親に比べると少ない。また、「おやじの会」がある学校も増えてはいるが、組織としては緩やかなケースが多い。だが、学校や地域に「おやじ」を巻き込むことで、強力なサポート体制も生まれるはずだ。
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