"ご当地カクテル"百花繚乱 「1杯」に活性化を期待
地域振興の一端を担っている食。全国で多彩なグルメイベントが行われているなか、市内ではアルコールを使った街おこしが活発化している。横須賀を代表するご当地カクテルの「横須賀ブラジャー」を皮切りに、各地域のオリジナルカクテルが続々と誕生。忘新年会シーズンに向け、活気づく”ご当地カクテル”事情とその背景を追った。
横須賀発のご当地カクテルとして先鞭をつけたのが「横須賀ブラジャー」。100以上の飲食店が軒を連ねる若松マーケットでは、経営者の高齢化や店舗の老朽化などの理由から客足は減り、衰退の一途をたどっていた。コンサルタントと知恵を出し合い、切り札として投入されたのがブランデーをジンジャーエールで割るカクテル、横須賀ブラジャーだった。「飲むブラジャー」というユニークなネーミングセンスと、グラスの大きさをA・B・C・Dカップで表す冗談めかしたコンセプト、昭和レトロの雰囲気が若者や女性に受け、これを目当てに市外から訪れる人が増えたという。一昨年秋から提供を始め、2年が経過。70を超える加盟店が統一グラスを使うことで店同士の一体感が生まれ、活性化に対する士気が高まったなど、集客以外にも一定の成果を出している。
横須賀ブラジャーに対抗するドリンクを作ることで、横須賀中心部の活性化に繋げたいと考えたのが「ヨコスカ・クランベリー・ビーム・コッダー」だ。アメリカ国内で健康飲料として人気のクランベリージュース。消費量日本一が横須賀であることに着目し、大手飲料メーカーの協力を受け、本町・どぶ板通り周辺で今年8月から提供を始めた。地元飲食店の女性オーナーをモデルに起用したイメージキャラクターを作り、可愛らしさや親しみやしさをアピールしている。
オンリーワンの味
横須賀ブラジャーとヨコスカ・クランベリー・ビーム・コッダーの成功に続けと、市内各所では独自性を活かしたご当地カクテルが続々と誕生している。
芸術劇場や軍港めぐりを目当てに他県から多くの観光客が訪れる汐入地区。商業・娯楽施設も充実しているが、滞在時間が短く、夜間の集客に繋げることが難しかった。そこで、夜の名物に新カクテルを考案。船の修理施設(乾ドック)を抱える土地柄と、「汐入」とソルト(塩)をかけて「汐入ソルティドック」と名付けた。同カクテルの発案者で、自身も創作レストランを営む松田一希さん=写真=は、「汐入へ足を運び、回遊してもらうきっかけにしたい」と意気込む。地域の飲食店に加盟を募り、来月から提供予定。
そのほかにも、追浜は街のシンボルである雷神社をヒントに、電気ブランを使った「雷神社ー(カミナリジンジャー)」や、衣笠では市内屈指の桜の名所である衣笠山がモチーフの「キヌガサワー」など、地域ブランドの確立をめざす。
ご当地カクテルは、近隣自治体にも存在する。名産のメロンとスイカのリキュールを使い、色鮮やかな一杯を作ったのは三浦市の飲食店。また、ワインの出荷量全国一位を誇る藤沢市では、ワインとジンジャーシロップを使った「ふじさわ〜」を開発し、ハシゴ酒イベントなどで提供している。
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