市有施設17%の縮減方針 廃止・機能移転でスリム化目指す
コミュニティセンター・青少年の家といった市民施設や学校、公営住宅、保健福祉施設など市が保有する公共施設の6割近くが、建築後30年を過ぎ、多額の更新費用が必要となっている。一方で、少子高齢化による歳出の増加と税収の減少といった問題も抱える横須賀市では、市有施設の在り方と配置を見直す「適正化計画」を策定。現状の17%を縮減する素案を公表し、今週末に行われる「車座会議」などで、市民の周知を図っていく。
横須賀市では昨年、市が保有する348施設(床面積50平方メートル以上)を対象に、築年数・利用者数・収支・稼働率を調査。これをもとに同年9月、『横須賀市公共施設マネジメント白書』を作成した。白書によると、全施設の平均建築年数は32年。財政状況の厳しい折、現在所有している市施設の全てを維持するのは財政的に難しいことから、市では施設総量の縮減と統廃合を「基本方針」として定めた。そこで、来年度から2052年度の38年間に渡る『施設配置適正化計画』の素案を策定。新施設の建設は行わず、施設総量を現状の17%縮減という目標を設定した。施設の廃止だけでなく規模の縮小、複合化なども進める構想だ。
市立幼稚園は廃止
計画素案では具体的に、中長期(10年)から長期(20年)、超長期(38年)の期間に分けて、廃止や機能移転、統合・縮小を示している。市内の市有施設の中で延床面積を大きく占めているのが、市営住宅と学校施設。市営住宅に関しては、老朽化が著しい木造・ブロック造住宅など11団地を廃止、9団地は建て替え時に規模を縮小する方針。また、学校施設は、11学級数以下の小学校(9校)を、近隣校との統廃合を前提として検討していくほか、児童数に応じて、建て替え時に規模縮小を図る考え。
「適正化」の判断基準は施設の老朽化といった側面だけではない。「市立幼稚園が参入する意義は薄れている」として、諏訪・大楠の両幼稚園は10年以内に廃止する方向。また、幼保連携型認定こども園の移行に伴い、公立保育園(11園)に関しても現在の配置を見直し、再編を検討する。
また、産業交流プラザや勤労福祉会館、はまゆう会館は利用率が低いため廃止し、機能を他施設に転用させるとしている。
「車座」で理解求める
市では、今週末から市内5地区で市長が参加する「車座会議」を行い、基本方針の周知を図っていく。素案に関する意見を募るとともに、計画原案を正式に策定。パブリックコメントの公募や市民説明会を実施後、今年度中に正式決定する。車座会議の日程は次の通り。
▽6月21日(土)北下浦コミュニティセンター(午後3時〜)/西コミュニティセンター(午後7時〜)▽6月22日(日)追浜コミュニティセンター(午後2時〜)/総合福祉会館(午後7時〜)▽7月2日(水)久里浜コミュニティセンター(午後7時〜)。事前申し込みは不要、当日直接会場へ。車座会議の詳細、素案については市財政部資産経営課【電話】046・822・9617
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