知的障害者などを対象とした短期入所施設と、就労の場となるパン製造・販売所が5月末に武にオープンする予定だ。社会福祉法人「清光会」(山田千秋理事長)の運営。障がい者の就労機会の提供と家族の負担軽減、自立への第一歩としての活用が目的。イートインスペースも設け、地域交流の場として開放していく意向だ。
新設されるのは、同会が運営する障がい者支援施設「清光園」(武1の2074の2)の敷地内。3階の短期入所施設「PeaceColor」には、車椅子用や聴覚過敏者用の防音室などを完備。「福祉施設らしくない福祉施設」というコンセプトのもと、15ある居室は1室ずつテーマが異なり、レンガ造り調の壁紙や天蓋付きのベッドなど、居心地の良い雰囲気作りを重視している。
2階には、製造所を併設したパン販売所「焼き立て 元気パン coneru(コネル)」を開設。清光園の通所者とスタッフが協力してパンを作り、販売まで請け負う。隣接ブースには30人ほどがくつろげるイートインスペースも設ける。
横須賀共済病院や三笠ビル商店街内にも「元気パン」の屋号で出店しており、通院している人や買物客に親しまれている。現在は、同病院内でパン作りを行っているが、今回新たに武でも製造所を開業する。5月末に開所式を行い、準備期間を経て、パン販売を始めていくという。
「足りない」受け皿
市内には知的障がい者のための併設型短期入所施設が4カ所あるが、家族の負担軽減、本人の自立のための準備段階としての需要は大きく、「まだまだ足りないのが実情」だという。就労状況も同様で、「よこすか就労援助センター」への障がい者の相談は年間約千件。平成25年の法改正もあり、就職率は年々向上しているが、「社会と触れ合う機会が少ない人は就職が難しく、その後の定着率も課題」と担当者。同会の秋津大希事業部長は、「家族は『自身に何かあったとき』を常に不安に思っている。この施設や作業所が、安心につながれば」と期待を込める。
見学も歓迎
広さ約200平方メートルのパン製造所はガラス張り。「作業所特有の閉鎖的なイメージを変えたかった。工場見学感覚で足を運んでもらえたら」と松田貴義支援部長。イートインスペースを地域団体などに使ってもらい、交流スペースとして活用を目指す。今年度中には、近隣の学校と連携した製造所見学ツアーも企画中だ。
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