元劇団四季の舞台俳優で、岩戸出身の武藤寛(かん)さんが監修を務める高校生のミュージカルグループが発足する。衣笠コミュニティセンターが企画する新たな講座。8月に行われるオーディションを経て、メンバーを決定する。高校生らが題材から練習日程まで全てを計画し、年明けに衣笠地域で公演を行う予定。
メンバー募り来年1月公演
衣笠コミセンでは今年4月に、「ライオンキング」などで活躍した武藤さんらを招き、歌や語りで「夢」を伝えるイベントを実施。そのステージに、「演劇に携わる仕事に就きたい」という「夢」を持つ田村優佳さん(横須賀高校2年)は心を揺さぶられた。「足の運びから呼吸までプロはすごかった」「指導してほしい」―。ツイッターで自身が感じた事を投稿した。それを見つけたのが同コミセン指導員の高松千秋さん。以前から若者向けの講座が少ないことを気にかけていた。「学生の夢をプロが応援する企画ができれば」と武藤さんに連絡を取ると、すぐに快諾の返事が来た。「若い人に経験を伝えることで、生まれ育った横須賀に恩返しがしたい」という思いを抱いていた武藤さんにとっても”渡りに舟”の話だった。
「学校では得難い経験」
本来、コミセンの講座は内容や日程などがあらかじめ決まっているが、今回はそれら全てを高校生が決める。意見を出し合いながら、オリジナルのミュージカルを作っていくのはもちろん、練習方法や回数も、作品の進み具合や学校行事などを考慮しつつ、各自調整していく。武藤さんも指導は行うが主役はあくまで高校生だ。企画に携わった同行政センターの岡崎俊哉さんは「演劇技術だけでなく、社会に出て必要となる責任感やコミュニケーション力、スケジュール管理といった学校では得難い経験も積んでほしい」と話す。学生の人間性や主体性を養うのも狙いだ。「ミュージカルは役になりきることで他人を経験できる。人の心をわかろうとする気持ちが人生を豊かにする」と武藤さんも口を揃える。
地域で盛り上げるための活動も行っていく。衣笠十字路の地下道を、ミュージカルをイメージさせる絵で装飾することを決定。参加者が所属する高校の美術部に描いてもらうことで、”高校生ミュージカル”色を街に広げていく予定だ。田村さんは「普通の高校生のために、ここまで環境を整えてくれる。人生が変わる気がする」と目を輝かせる。
* * *
オーディションは8月25日(火)午後1時から。会場は衣笠コミセン。すでに5つの学校から10人近くのエントリーがある。「歌やセリフなどを見る予定だが、未経験でも熱意のある人なら大歓迎。15人程度集めたい」と武藤さん。申込み、問合せは同コミセン【電話】046・852・3596
横須賀版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>