横須賀海軍工廠で1921年に建造、36年の大改修で搭載された戦艦「陸奥」の4番砲塔(主砲)が、80年ぶりに”里帰り”する。現在、屋外展示されている船の科学館(東京都)から、9月12日(月)から13日(火)にかけて海上輸送し、ヴェルニー公園の一画に設置。周辺の整備を行い、今年度末には一般公開となる方向だ。
横須賀で建造された戦艦「陸奥」の主砲が、数奇な運命を経て、ようやく帰ってくる。1943年、原因不明の爆発により瀬戸内海沖で沈没。戦後、引き揚げられた艦体のうち、主砲は船の科学館、艦首や主錨は陸奥記念館(山口県)などで展示されていた。
東京五輪の開催に伴い、お台場にある船の科学館一帯の再開発から、同主砲の撤去が取り沙汰されたのが約3年前。市内では有志団体「陸奥の会(齋藤隆代表)」が立ち上がり、ゆかりのある場所として”里帰り”を支援。署名や海上からの輸送にかかる費用の募金活動を行ってきた。これに協力する形で、市は近代産業の礎を示す歴史的・文化的遺産として同館と無償移譲を締結。輸送設置費は寄附金約2590万円と防衛補助金などで賄い、ヴェルニー公園に設置される。
3月に公開セレモニー
長さ18・8m、重さ約102tの主砲。9月12日に船の科学館から撤去、大型クレーン船で海上から輸送する。翌13日の午前中、ヴェルニー記念館前に設置作業を行う予定。塗装や説明板の整備を経て、来年3月には、一般公開となる見込み。同記念館でのパネル展も計画中だという。
齋藤会長は「署名から募金まで、多くの人が”想い”を持って動いてくれた」と感慨深げ。さらに「横須賀には、多くの近代遺産が点在している。ものづくり技術の象徴の1つとして、若い世代の人にも関心を持ってもらえる仕掛けを考えていければ」と、移設後の活用に期待を示した。
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