現在40人の市議会議員のうち、女性は6人。男女参画・女性の活躍―と言われる中で、その割合は横ばい。昨年、政治分野における男女共同参画推進法が成立したが、その掛け声だけでは増えていない現状がある。
内閣府の男女共同参画局が作成している「見える化マップ」=左図。市町村議会の女性の割合を地図で表したもので、最も高いのは葉山町の53・8%で横須賀は約15%。横浜や川崎と同水準だった。
「もっと増えてもいい」と話すのは、女性市議のひとり。「子育てや教育、介護などの問題を抱える市民=当事者の代弁者に」というのが手をあげたきっかけだったという。別の1期目市議は「政治に携わる仕事をしたいと議員を選んだ。性別を意識することはなかったが、女性であることへの(有権者からの)期待は感じる」と話す。「多様な市民」を代表するのが議員であるならば、議会の中も多様であるべき―そんな声も聞かれる。
かつては議場に野次が飛ぶこともあったというが、現議会で不自由を感じることはあまりないという2人。ひとりの市議は昨年末に出産し、議会を欠席したが、会議規則には「理由を付して届け出」と書かれているのみで産休等は明文化されていない。議員活動を行いながら躊躇せず出産できるよう、欠席理由に明記する地方議会も増えており、「横須賀でも運用を含めて規定を作ったほうが良いと思う」と語った。
政治参画の壁
かながわ男女共同参画センターが3年前、県内市町村議員に行ったアンケートでは、女性議員の割合を「増やしたほうが良い」と答えた男性は約30%、女性は約70%。男女の意識の差がみられた。”増えない”理由については「議員活動と子育てや介護等との両立が難しい」「議員になって政治に参画しようという女性が少ない」「家庭や周囲の理解が得られにくい」との回答が続く。「子どもたちが職業として議員を選ぶ意欲醸成や、具体的な道筋を学ぶ機会がない」と指摘する意見もある。
議員の仕事は議会内だけでなく地域の人に会い、話を聞くことも多い。土日や夜など時間に不規則な印象もあるが、それは男性中心の働き方目線。「周囲の手を借りながら、自分なりの動き方を模索していく」と先の市議。多様な人間が政治参画でき、ロールモデルを変えていくことが、女性活躍の一歩になるのではないだろうか。
――連載終わり
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