光が届かない暗黒の世界「深海」の探査技術を競う国際大会で準優勝の快挙を成し遂げた「チーム・クロシオ」のメンバーが先月26日、ヨコスカ・ベイサイド・ポケットで市民向け報告会を開いた。世界の32チームが参加した大会の様子とともに、深海の謎を追う日頃の活動を紹介した。市内に点在する研究機関との連携を深めている横須賀市が主催。児童を含む350人の聴衆が熱心に耳を傾けた。
「チーム・クロシオ」は、横須賀市内に拠点を置く国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)と日本海洋事業株式会社の職員らで構成。ギリシャ南部のカラマタ沖で開かれた無人ロボットを使って海底地形図を作成する大会「シェル・オーシャン・ディスカバリー・エックスプライズ」(アメリカ/XPRIZE財団主催)に挑んだ。未だ謎が多い深海を解明するために必要となる測量技術を競うもので、昨年の11月から12月にかけて決勝ラウンドが開かれた。
報告会のステージ上には、大会で使用した無人ロボットと同じサイズのレプリカが飾られ、4人のメンバーがそれぞれの取り組みを話した。
水深200m以上の海域である深海は電波が届かないため、音波の跳ね返りを利用して海底の状況を把握することを説明。
平均水深3800mの海域に無人ロボットを送り込み陸上で操作しながらデータを収集、短時間で地形図を作成する。大会ではこれの精密さなどが競われた。競技海域には支援母船も立ち入りが出来ないルールなども紹介した。
これらの深海探査技術は、地震メカニズムの解明やメタンハイドレートやレアメタルなどの海底資源獲得、地球温暖化の予測などに応用されることも報告された。
メンバーの1人は「深海は人類に残されたフロンティア。未来の子どもたちにも海や地球の謎を解明する研究に足を踏み入れて欲しい」と呼び掛けた。
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