うみかぜ公園にBMX大会誘致
横須賀市は今年、若者に人気のアーバン(都市型)スポーツの普及活動に乗り出す。
その中でも、今夏の東京五輪から正式種目に加わった自転車競技「BMX」に着目。夏前に五輪出場を決めている代表選手ほか、国内トップクラスの選手を集めた大規模な大会を平成町のうみかぜ公園に誘致する計画を発表している。
アーバンスポーツとは、BMX、スケートボード、3×3バスケなどをひっくるめた総称。従来のスポーツとは異なり、街なか(ストリート)をフィールドとしており、手軽さや自由さで若者の支持を集めている。音楽やファッションとの親和性も高く、1990年代頃から全国的な広がりを見せた。同時期にうみかぜ公園にもスケートボードパークなどがつくられ、今も横須賀の若者文化の発信拠点となっている。
今回、市がBMX競技に目を付けたのは、このスポーツが発展途上にあるからだ。競技人口を増やしつつあるが、全国的に専用施設はまだまだ少なく、気軽に楽しめる場所も限られている。全国規模の大会をこの場所で開催し、ファンの関心を集め、いち早く聖地化することで「BMXのまち横須賀」を印象付ける狙いがある。追浜のDeNAベイスターズファーム施設(野球)、久里浜の横浜F・マリノス練習拠点(サッカー)、津久井浜海岸のウインドサーフィンワールドカップと同様、地域の核となるスポーツに育てていく考えだ。
強力な援軍も存在する。昨秋に市と連携協定を結んだNTT東日本、NTTe―Sportsの大手通信関連会社だ。通信ネットワークやICTの最新技術を大会会場に投入し、臨場感を高めた新しい観戦スタイルを提供。VRやARカメラを用いることで、選手と同じ目線で疑似プレーを体験できる。選手自身も普段の練習時の動作分析などにこれらの技術を用いることで、難易度の高いトリックが習得しやすくなるという。
BMXと最先端の通信技術。一見無関係とも思える両者がつながることで、若い世代を呼び込むための魅力的なコンテンツが誕生する。横須賀のシティプロモーションは新局面に突入する。
スタイルの発信がすべて 大和(おわ)晴彦さん(湘南鷹取在住)
実力とビジュアルを兼ね備えた18歳。国内ランキング3位に位置するBMXフリースタイルの若き牽引者だ。8歳の頃にうみかぜ公園でBMXと出会い、のめり込んでいった。
「BMXは自己表現手段のひとつ」とクールに発言。フォーカスするのは、大会結果よりもスタイルの発信という。BMXを活動の柱にファッションモデルも勤めている。「枠にはまらずなんでもやりたい」。10年後の自分の未来は想像できないが、訪れたチャンスに貪欲に乗っかっていく。
『何よりもBMXが好き」 濵田琉瑠(るる)さん(太田和在住)
近所の友達がBMX自転車に乗る姿に憧れて5歳から始めた。横須賀学院小学校に通う1年生。放課後に両親の送迎でうみかぜ公園に駆けつけ、日が暮れるまで練習に励む日々だ。そんな努力が実り、昨秋に岡山県で開かれた全日本選手権のガールズロークラスで優勝を収めた。
週末は各地で開かれる大会や練習会に参加して腕を磨く。同じ志を持つ仲間もたくさんできた。BMXが五輪種目になっていることをしっかり理解。数年後の出場を夢見る。
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