広島の原爆から奇跡的に助かった被爆アオギリの種で育てた苗木「被爆アオギリ二世」が4日、三浦市体育館前に植樹された。三浦のまぐろ漁船が被爆したビキニ事件から60年の節目の年にあたり、市は新たな平和の象徴として受け継ぐ。
植樹式には、三崎小6年の児童36人と平和教育の一環として市内の小学生を対象に募集した「平和の標語」の受賞者も参加した。吉田英男市長は児童を前に、米国の水爆実験で三浦のまぐろ漁船が被爆した歴史を説明し、「過去の大きな事件を経て、今の平和が築かれている。このことを心に刻んでほしい」と呼びかけた。その後、吉田市長と子ども達は苗木に砂を掛けた。
平和の標語で最優秀賞に選ばれた石間勇斗君(初声小6年)の「この世界 平和にしよう みうらから」は、植樹された二世そばの木柱碑に刻まれた。石間君は「戦争を無くし、平和な世の中になればいい。三浦から発信できたらと思ってこの標語を考えた」と話した。
被爆アオギリは1945年、広島の原爆で焼けた旧広島逓信局の中庭にあったアオギリ。幹の半分が焼け、誰もが枯れてしまうと思われていた。しかし翌年の春、このアオギリから新芽が出たことから、原爆で苦しんでいる人に生きる希望を与えたといわれている。「被爆アオギリ二世」は、三浦市も参加する核廃絶を訴える首長が集まる「平和首長会議」から平和活動の一環として受け取った。
市は、91年に平和な世界の実現を目指し核兵器廃絶平和都市を宣言。広島・長崎の惨事を繰り返させてはならないと訴えている。
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