三浦市は、今年度から東洋大学とR不動産株式会社と連携し、空き屋を活用した「トライアルステイ」事業を行う。市では初めての取組みで、先月から同事業で使用する市内の住宅を募集している。
人口減少をはじめとする諸課題の解決のため、大学が学生とともに地域と連携して取り組む地域振興・観光振興に資する取組み(地域インターンシップ)を推進する神奈川県の地方創生大学連携事業。県が大学から提案事業を募集し、審査により採択した事業について、事業費の一部を負担するもので、横須賀三浦地域からは今年度、3件の提案が採択された。
今回、三浦市とタッグを組むのはこれまで同市の公有地活用や財政健全化の研究を2009年度から行ってきた「東洋大学」(東京都千代田区)と、トライアルステイの実績が豊富で不動産情報発信に強みを持つ民間企業「R不動産株式会社」(同渋谷区)で、三浦市内にある空き家を活用した「トライアルステイ」を実施する。トライアルステイとは、空き家を活用した短期間の移住体験のこと。実際に住むことで地域の魅力を知ってもらい、地方移住のきっかけを作る仕組みをさす。
県内最高の空き家率
2013年の住宅土地統計調査によると、三浦市の空き家率は県内で最も高い17・4%。高齢化と都市部への若年層流出で居住者のいない空き家は増加傾向にある。
空き家の増加は地域の衰退だけでなく、適正管理が行き届かないことで防犯・防災面や景観維持にも大きく影響。定住人口の拡大が人口減少抑制と空き家対策に歯止めをかけるとして、全国的に空き家を活用する動きがある。
近隣の横須賀市でも階段や坂道に囲まれた谷戸地域を中心に空き家が増加している。課題解決の方策として市は急傾斜が苦にならず車を持たない大学生に着目。地域参加を条件に低家賃で提供する協働事業を推進し、現在は神奈川県立保健福祉大学の学生が空き家を改装したシェアハウス(賃貸協同住宅)に居住する。若い学生が地域に入ることで交流人口が増え、防犯面にも役立っているという。
今秋にもスタート
現在、今年10月頃開始予定のトライアルステイ者募集に向けて、三浦市内にある未使用または遊休化している戸建て住宅・アパート・別荘などの住宅を随時募っている。
市担当課によるとトライアルステイの期間は1回およそ2週間。主に働く場所を選ばない職種や三浦から通勤可能圏内に勤務する若年層をターゲットに、費用は500円程度のほか、光熱費は実費徴収する。
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