三浦市は市内の遊休不動産と地域の再生策を考える「リノベーションスクール@みうら」を先月30日から3日間、旧三崎中学校で開いた。20人を越える受講生が県内外から集まり、地域住民へのヒアリングや実際の物件見学などを通して活用プランを作成。提案されたアイデアは今後、事業化を視野に検討が進められる。
同スクールは受講生がグループに分かれ、「ユニットマスター」と呼ばれる専門家からアドバイスを受けながら物件活用のアイデアを出し合う取り組み。プログラムを通して、周辺エリアの再生やまちづくりの担い手育成もめざしており、最終日には各グループが、テーマとなった物件のオーナーやユニットマスターらに向けて公開プレゼンテーションを実施した。
今回与えられたテーマ物件は、【1】諸磯の元大工宅倉庫、【2】松輪の旧市営住宅、【3】三崎下町(日の出区)の元飲食店、【4】小網代の旧薬局店舗・多目的スペースの4カ所。受講生はまず、建物を見学し、周辺環境を知るために住民や地元企業に話を聞いてまわった。その後、具体的な事業プランを作成。物件の用途や機能の変更、改修方法にとどまらず、定住・交流人口の拡大、コミュニティの再構築など周辺エリアの価値向上についても知恵を絞った。
最終日の公開プレゼンテーションでは、【1】三浦野菜と農地活用に着目し、農家と消費者を繋ぐ仕組みづくり、【2】健康志向の飲食物提供や銭湯、レンタルのイベントスペースなど複合的なファスティング(断食)機能を持つ施設づくり、【3】スナック・ランドリー・食品加工事業の3本柱で回遊性を高め、コミュニティの再構築を図る、【4】小網代の森の玄関口として物販・案内所設置や小網代湾で養殖している真珠を活用したアクセサリーづくり-の4つを提案。これらのプランはスクール後、事業化も検討されることから、各グループでは綿密な収支計画を算出した上で提案を行っていた。
プレゼンテーションを聞いた物件所有者は「思ったこともないような斬新な提案。三浦市のいいところを活かした魅力的なものだった」などと評価。また、受講者は「『価値転換の発想』『敷地に価値無し、エリアに価値あり』などのキーワードで思考法を改め、考える刺激的な3日間となった」と感想を話した。
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リノベーションスクールとは、空き家や空き店舗などの遊休不動産の再生を資源として活用し、周辺地域の活性化について実践を通して学ぶ集中講座。2011年に北九州で始まり、全国各地で開催されている。
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