中学校跡地 市民ら活用に妙案多数 地域活性化を目指し懇談会
来年4月、中学校の統合で空き校舎となる三浦市の三崎中学校の利活用を市民で検討する懇談会が先月22日、青少年会館であった。懇談会は、地域コミュニティの継続と地域の活性化案を市に提案するのが目的で開かれた。主催した、三浦まちづくりの会(田中健介会長)は、9月までに素案作りを行い、10月には市へ提案書として提出したい考えだ。
同会は、城ケ島の砲台跡地の見学会ほか、三浦の歴史や文学などをテーマに散策の企画を立て、市民に三浦を知ってもらいまちづくりに生かそうと活動しているグループ。中学校跡地の利用方針に関して市は、今年度中に策定するとしているが、同会では市よりも先に意見を提出しようと今回懇談会を開いた。
統合されるのは、三崎中学校と上原中学校。統合後は上原中学校を使うため、三崎中学校は空き校舎となる。三崎中学校は、敷地面積1万8432・30平方メートル。校舎は鉄筋コンクリート4階建で総床面積は約4千平方メートル。耐震補強工事もされている。
当日参加したのは、同会の呼びかけで集まった市民ら約20人。参加者からは、「高齢者が住みやすいまちをつくることは高齢化率の高い三浦市にとっては大事な点。元気な高齢者が体力に合わせて働ける場所を提供できるようなものを作っては」、「建物は耐震補強も済んでいるので、解体せずにそのまま利用する方向で考えるのが良い」、「防災の拠点としての活用もあるのでは」といった意見が出た。
また、「三浦市には画家や芸術家が居住していたこともあり、多くの作品が残されている。しかし、作品を保管する場所や展示場所がない。資料館や展示室を設けてほしい」といった要望もあった。その他、チャッキラコや面神楽、稲荷っ子などを伝えるための郷土資料館のような施設や校舎にある美術室を市民に開放してはといった声など、芸術文化や、防災の面など20以上の意見や活用案が出た。
参加者から主催者に「地区別にこのような懇談会を開き、より多くの市民から意見を募るべき」といった提案がされ、主催者も前向きに検討するとした。
田中会長は「市も活用について、今年度中に示せるように検討を進めるようだが、まだ不透明な状態。市民の声をまとめ市よりも先に提言し、意見を反映してもらいたいと考えている」と話している。
【解説】中学校統合/市は少子高齢化社会におけるより良い教育環境の実現に向けた適正化措置のひとつとして、2010年に「三浦市立小中学校適正配置推進計画」を策定。学識経験者や保護者、地域住民、学校関係者らで意見交換がされ、三崎中学校と上原中学校の統合をまとめた意見書を市教育委員会に提出。その後、策定され両校の統合が決まった。新校の名前は市民からの公募により「三崎中学校」となり、2014年4月に開校する。
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