三浦市教育委員会は、今年4月に実施した「平成27年度全国学力・学習状況調査」の分析結果を先日公表した。小学6年生、中学3年生を対象に行われたもので、小中学校全ての教科で全国と県の平均正答率を下回っていることが分かった。
同調査は児童生徒の学力や学習状況を細かく把握・分析することで、教育施策の成果と課題を検証・改善、指導の充実を図ろうというもの。市内の小学校8校、中学校3校に通う計647人を対象に、教科に関する調査(知識を問う「国語A」「算数・数学A」、活用を問う「国語B」「算数・数学B」に理科を加えた5つの学力テスト)と、児童生徒の生活習慣や学習環境等に関する質問調査が行われた。結果は各自治体の判断に委ねられ学校別に公表できるが、「序列化や過度な競争に繋がらないようにするため」として、三浦市では行っていない。また、調査は学力の特定の一部分の測定で、学校教育活動の一側面であるとの考えを示している。
市教委の公表結果によると、実施された5つすべての教科で三浦市は全国と神奈川県それぞれの平均正答率を下回った結果となった。全国平均正答率と比べて、特にその差が顕著だったのは小学校。国語A 8・7ポイント、国語B 7・3ポイント、算数A 6・2ポイント、算数B 7・8ポイント、理科6・0ポイント下回っており、市教委は「全国平均との差は縮んでいるものの、依然としてやや低い傾向が見られる」と述べている。
また、中学校でも全国平均をわずかに割り込んだ今回の結果を受け、「漢字や計算など基礎的な知識や技能の定着が課題」と分析する。テレビ視聴や携帯電話の使用の長時間化、平日の家庭学習時間が短い点などを指摘したうえで、「学力定着のためには基本的生活習慣や学習習慣の確立が必要」としている。
学びの機会を広げる
三浦市社会福祉協議会では、今年度から生活困窮者支援対策の事業の1つとして、低所得世帯の子どもを対象にした学習支援を実施している。
近年、深刻な社会問題になっている親から子への「貧困の連鎖」。基礎的な学習機会を提供することで貧困に関わる諸問題の解決や教育格差の解消を目的に、経済的理由で十分な教育が受けられない子どもに対して、教員OBらがボランティアサポーターとなり、自らのスキルや経験を活かして指導する。
今年の夏休み期間中に試行実施されて以降、不定期ではあるが継続して行われ、参加者からおおむね好評を得ている同事業。今後の課題は、学習に関心の低い保護者に向けた働きかけ。学校、行政、地域との連携強化を図り、息の長い支援をめざす。
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