新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置により、消費が低迷する酒類の販売促進と料理のテイクアウトでステイホームを楽しんでもらおうと、上宮田の「ねもと長嶋米酒店」で今月22日、「酒屋でテイクアウトごはん」が行われた。趣旨に賛同した買い物客らが次々と来店し、主催者は「現状を知ってもらうことで、日常的に地元商店を使う機会が増えれば」と期待を寄せた。
新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、5月末まで続く神奈川県内の「まん延防止等重点措置」。今月12日から対象区域が8市町追加され、三浦市も含まれている。県は期間中、対象区域内の飲食店に対して営業時間を午後8時までに短縮し、酒類の提供を終日停止するよう法律に基づいて要請している。
酒類提供停止の影響は飲食店のみならず、酒類販売事業者にも波及。ねもと長嶋米酒店の長嶋崇さんは、「売上全体の7〜8割を占める飲食店や宿泊施設への納入が止まり、補償もなく厳しい状況」と吐露する。
催しの企画を立ち上げたのは、開催1週間前。長嶋さんは少しでも窮状を知ってもらい、家飲み需要を喚起して店頭販売につなげるため、「#10日に1回酒屋に行こう」といったキャッチコピーを考え、SNSを中心に発信。親交があり、キッチンカー「THE STAND」を展開する根岸辰也さん(上宮田/三浦観光バス)が、こうした取り組みや酒屋への影響を耳にしたことから、「一緒に盛り上げられないか」とコラボを決めたという。
当日は午前11時から「ねもと」の駐車場でキッチンカーを1日限定営業。「ねもと」のレシートと引き換えに「THE STAND」の食事メニューの全商品を100円割引で販売すると、ビールやジュースとあわせて料理を購入する買い物客の姿があった。午後1時には60食を販売する売れ行きで、根岸さんは「それぞれの常連客が催しを通じ、互いの店の魅力を知ってもらう機会にもなった」と相乗効果を喜ぶ。長嶋さんは「角打ちイベントをやってほしいという声もあり、終息後の取り組みにもつなげたい」と話した。
次回の開催も検討しており、「三浦海岸エリアの盛り上げにもなれば」と、賛同者を募りながら新たな企画を模索していくという。
県の独自支援
今月20日の神奈川県議会産業労働常任委員会でも、酒類販売事業者への支援に関する質問が委員からあがった。
売上に大きな影響を受けた事業者に国は、月次支援金による支援を予定しているが、交付額は法人20万円・個人10万円で、売上は前年同月比50%以上減少が対象要件。酒類販売事業者からはさらなる支援を求める声も多く、県は月次支援金に上乗せする形で独自の追加支援を検討しているという。こうした追加支援策に「ありがたい」としながらも、長嶋さんは「各事業者が少しでも売上を増やそうと努力するなかで、支援対象が狭い。売上の10%減でも厳しいのに、50%以上では経営継続自体が難しい」と所感を話した。
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