神奈川県内でトップクラスの生産量を誇る平塚のバラが、出荷の最盛期を迎えている。母の日やブライダルシーズンなどのイベントを控え、市内のバラ農家は収穫作業に忙しい。
市内のバラ農家で構成される「平塚市JA湘南バラ部会」には16軒の生産者が所属し、100種類以上の品種が栽培されている。例年暖かくなる3月頃から出荷が盛んになるが、同部会長を務める渋谷ばら園(片岡658)の渋谷真一さんは、「冬の寒さで生育が遅れたのと、4月の激しい寒暖の差で今年は品質管理が難しい」と話す。
渋谷バラ園ではスタンダードな一輪もの10品種を生産し、主に東京中央卸売市場の一つである大田市場に卸している。ピーク時では一度に1千〜1500本の花を出荷する。
バラの生育には主に水耕栽培と土耕栽培があるが、平塚のバラは土耕が多いのが特徴。一般的に土耕は水耕より質の良いバラが育つとされ、評価は高いという。同園のバラも、市場での売れ行きは好調なようだ。
渋谷さんは大学業後に先代である父の師事で農業を学び、5年ほど前に2代目として経営を受け継いだ。元は米と野菜の栽培が中心の農家だったが、バラを育てる先輩農家との出会いを機に「下火になってしまったバラの生産を立て直したい」と、新分野に取り組んだ。
先輩農家から学んだノウハウに加え、温室内のセンサーとパソコンを連動させた温度管理システムの導入など品質管理に力を入れ、ここ2〜3年で生産が安定してきたという。昨年から続く原油高対策には、高性能なエアコンや、ハウスの温度を保つための被覆材導入なども行った。「この設備が、今年の気候変動の品質管理に役立った」と渋谷さんは話している。
|
<PR>
平塚版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>