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地元作家 鹿島孝二が描いた平塚 郷土史会 小説を冊子に

文化

掲載号:2018年2月8日号

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冊子を持つ栗原さん(左)と吉武さん
冊子を持つ栗原さん(左)と吉武さん

 戦後、市内代官町に移住し、平塚での生活を作品に残したユーモア作家の鹿島孝二(1905〜86年)の、連載小説『湘南滑稽譚(こっけいたん)』をまとめた冊子が2月1日、地元有志の編集、製作で発行された。100部発行で、1冊2000円(税別)。7巻まで続く予定だ。

 冊子制作の音頭をとったのは浜岳郷土史会の栗原健成さん(50)。「小説を読んでみて、古き良き平塚の生活が垣間見えるところに魅力を感じました」と、昨年夏頃から動き始めた。雑誌「大衆文芸」に67年から連載された『湘南滑稽譚』は全189話に及ぶが、単行本化しているのは43話分だけだったことから栗原さんは「冊子にすることで、多くの人が手に取りやすくなればうれしい」と話す。

 今回発行された1巻には第1話〜27話のほか、PTA会長をつとめた花水小学校の創立30年誌への寄稿文、長男の鹿島吉武さん(76)が父との思い出をつづった資料も追加されている。

 鹿島孝二が連載の中で書き続けていたのは、「庶民の生活の中にある人間のよさ、あたたかさ」だ。郵便局員や芸子、書店員など、主人公を取り囲む顔なじみたちの輪郭が、日常会話や噂話によってくっきりと浮かび上がる。

 あくまでフィクションとして描かれているものの、物語には、サクラ書店を彷彿とさせる「すみれ書店」や、進和学園の創始者をモチーフにしたエピソードなどが盛り込まれている。

 吉武さんは父の人柄について「ほがらかで、怒られた思い出よりも、よく一緒に散歩したことが印象的です」と話す。午前中を執筆にあて、午後になり吉武さんが小学校から帰宅するとまち歩きに誘い出し、書店を覗いたり、農作業をしている人に話しかけたりしたという。

 夕飯時には「おもしろい人がいたよ」という父の話に家族そろって耳を傾けた。「私たちの反応を見て、どう書こうかと考えていたんだと思う。今になって小説を読み直すと、あの人がモデルだなとわかるところがあります」と吉武さんは懐かしさに顔をほころばせていた。

 冊子はサクラ書店ラスカ店(宝町)、横田書店(紅谷町)、水越書店(八千代町)、越地書店(南金目)で購入できる。

 3月3日(土)〜30日(金)には南図書館(袖ヶ浜)での展示会も予定している。

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