市議会議員の渡部亮氏(40)がスノーボード競技大会の出場を理由に議会本会議欠席の是非の判断を求めていた件に対し、平塚市議会は2月26日、議会運営委員会を急きょ開いて対応を協議した。議会によると全国初の異例の事態という。県スキー連盟が選手派遣の依頼を取り下げたことから、渡部氏は大会出場を断念した。
異例の議運
渡部氏は神奈川県スキー連盟から選手派遣の依頼があったとして「本会議(2月28日)の欠席について配慮してほしい」とする文書を2月17日に片倉章博議長宛てに提出していた。2月27日〜3月2日に新潟県で開催される大会だった。
渡部氏の届けを受けて片倉議長は「前例にないこと」として議会運営委員会を26日に開き対応を協議。この場で、同スキー連盟・専務理事の木村徳善氏が選手派遣依頼の取り下げを求めて、経緯を説明した。
県スキー連盟「渡部氏から要請」
木村氏は「連盟の選手派遣依頼によって議会に迷惑をかけたことをお詫びしたい」と陳謝。文書は渡部氏から要請を受け作製し提出したと明かした。「一般企業のケースと同様に対応してしまった。本会議の日程を確認していなかった。議会を優先すべきで文書を取り下げたい」と釈明した。
発言を求められた渡部氏は「私から連盟に要請する前に、連盟の方から私に大会に出てもらいたいという話があった。連盟には1月上旬、本会議と日程が重なっているので、まずは依頼文を出して議会で審議をしていただきたいと話した」と述べ、欠席の是非を議会で判断してもらうための手段だったと強調した。
渡部氏は「連盟の取り下げを受けて、本会議の重要性を考慮して、本会議に出席することにした」と述べた。
渡部氏はスノーボード「デモンストレーター」の有資格者。本人によると全国でこの資格を持つのは16人のみ。2年に1度の更新で、3月の大会に出場できないと資格が失効されるという。大会への出場理由は、スポーツ振興のための公益活動と説明した。
議員から非難の声
委員会を傍聴した議員からは「渡部氏は自分が置かれている立場を認識すべき。議会を最優先して、気を引き締めてもらいたい」と非難する声があがった。片倉議長は渡部氏に対し「議員としてあるまじき行為だ」と強く批判した。
渡部氏は元市職員で、2019年の選挙で4066票を得て初当選。当選後、市民の個人情報を持ち出して選挙に利用したとの疑いで市から刑事告発、損害賠償請求されている。市議会は辞職勧告の決議案を可決した。
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