湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備・管理運営事業を巡り、3月〜5月に実施した市民意見募集の結果について「環境保全を考える議員有志の会」が8月26日、「大量のファクス一括送信などが確認でき、組織的な『やらせ投稿』と推定できる」として客観性、有効性に問題があるとの見方を示した。市はこれに対し「全ての意見を慎重に点検した」とし「ファクスで届いた意見すべてを市民の意見として問題はない」とコメントしている。
市民意見募集には437人が回答している。環境保全を考える議員有志の会(石田雄二市議、江口友子市議、端文昭市議、府川勝市議、松本敏子市議)が情報公開請求したファクスを調査したところ、ファクス回答257件のうち228件が、日時の印字が同じことなどから、一括送信機能を使った応募であることがわかったという。また、一括送信機能で寄せられたファクスの中に、公園開発について否定的な意見の回答がなかったとした。
議員有志の会はこれまでも、市民意見募集期間中の4月30日、「インターネット上の意見募集の即時中止と計画進行の凍結」を求める要望書を落合克宏市長に提出。同一人物が複数の意見を別の名前で投稿した場合の対策を講じているかどうかなどを指摘し、新型コロナの感染拡大を理由に、事業者決定後の説明会が開催されないまま、計画が進行することについて抗議してきた。
平塚市「問題ない」と反論
平塚市は8月31日、有志議員らの発表に対し「特定の回答を外部に働きかけたことはありません」「計画の賛否を問うアンケートではないので、組織票を問題にすることは意味がなく、本市としては提出されたものが個々の市民の意見であれば、良いものと考えています」とコメント。
ファクスの一括送信については、「意見の全てが(開発に)肯定的ということではなく否定的な意見も複数含まれていたことや、全ての意見を慎重に点検した結果同一人が記載した意見は見当たらなかったことから、アンケート主旨に照らして、ファクスで届いた意見全てを市民の意見として問題はないと考え受領した」と述べた。
平塚市が計画している龍城ケ丘プール跡地を含む海岸エリアの開発は積水ハウス(株)が管理運営の代表企業となり、カフェやイベントスペースの建設が予定されている。
地元住民からは海岸樹林伐採に関して、津波等防災の観点から反対運動が起きている。市民団体「豊かな海と暮らす平塚市民の会」のほか、龍城ケ丘・桃浜町自治会が整備計画の見直しを求めた要望書や署名を市長に提出。開発範囲を廃墟化している龍城ケ丘プール跡地に留めてほしいという声があがっている。
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