ボードゲームを使ったライフリテラシー教室の講師を務める 加藤 千晃さん 松風町在住 54歳
社会で「生きる力」養って
○…新社会人や学生たちに社会で生きる力を教えるため、社会保険料の納付や結婚、選挙に至るまで”超リアル”に社会を体験できるボードゲームを開発したライフリテラシーの代表。2月に花水公民館で行われた中学生向けの最新版を使った出張教室では、「これからの時代、人任せにせず自分の頭で考えることが大事」と生徒たちに真剣な面持ちで呼び掛けた。
○…市内御殿生まれ。NHKのディレクターとして食糧問題や昭和史などをテーマに数々のドキュメンタリーを制作した父のもとで、幼い頃から物事の本質を見定める視点を養ったという。中原小・中学校を卒業後、当時はまだ珍しかった私服登校や化粧も認める自由な校風の和光高校(町田)に進学。「そこで吸った責任を伴う自由な空気はその後の道を決定づけた」と振り返る。
○…建設会社で働いていた時、新聞記事で若いシングルマザーが児童扶養手当の存在を知らずに子どもを亡くしてしまった事件を知り、衝撃を受けた。元々温めていたが実現できずにいた、「知ることで命を守る教材」を世に出すべきと決意した瞬間だった。それまで教材会社やゲーム会社に採用されずにいた「ボードゲームで社会を学ぶ」というアイデアを、税理士や娘の学校の先生などに相談し、一から手探りで制作。市のビジネスコンペで認定事業に選ばれたのを後押しに、2015年にライフリテラシーを立ち上げた。
○…起業から約10年。今では改良を重ねて全国の中学校から大学、企業の研修などで採用されている。剣と盾をあしらった同社のロゴを説明しながら、「知識は剣、身を守る盾にもなる。子どもたちには他人任せの姿勢から抜け出し、未来を切り開いていってもらいたい」と思いを語った。
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