平塚市は4日、119番通報により救急車が出動した件数が昨年1年間で1万4300件にのぼり、過去最多を記録したと発表した。
市消防救急課によると、救急出動の件数は前年比で172件増え、6年連続の増加となった。進む高齢化や市内に高齢者施設が増加したことなどが背景にあり、市は2016年4月、それまで7隊だった救急隊を8隊編成にして救急体制を維持してきた。
今後も救急車の出動件数が増加する見通しのなか、緊急性のない119番通報が課題となっている。
一昨年の1年間で緊急搬送された1万3259人のうち、医療機関で「軽症」と診断された人は全体の36・8%にあたる4873人。軽症とは4段階に分類される傷病レベルの最下位にあたり「入院しないで自力で帰宅できる程度」をさす。
また、救急出動したものの、病院搬送に至らなかったケースも951件にのぼり、出動件数の6・7%を占めた。
元救急隊員で同課の担当者によると、薬を処方してもらうためだけに救急車を呼ぶ人や、常習的に119番通報する「常連」もいたという。
もちろん、医療機関で軽症と診断される程度の症状であっても救急搬送が必要な場合はあり、担当者は「命が最優先。119番通報をためらうことがあってはならない」と話す。そのうえで「本当に助けを必要としている人のもとへ救急車が向かえないということも起こり得るので、ぜひとも適正利用をお願いします」と呼びかける。
市では現在、市広報や路線バスの車内アナウンスなどを通じて適正利用の啓発に力を入れている。
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