後継者不足や材料のワラ入手の困難が問題となっていた「川尻八幡宮の大しめ縄づくり」。この伝統行事を後世に伝えていこうとこの程、「川尻八幡宮しめ縄作り保存会」を発足させた。今後は氏子だけでなく、城山地域一体となり、ワラの確保や大しめ縄づくりに取り組んでいく。
樹齢1000年、天然記念物にも指定されていた鎌倉の鶴岡八幡宮の大イチョウ(2010年3月、雪と強風により倒壊)や拝殿に飾られる大しめ縄を制作する「川尻八幡宮大しめ縄づくり」。城山の冬を代表する伝統行事だ。もともと、1973年まで横浜の農家が行っていた。しかし、ワラ不足により横浜での作業が困難になったため、当時鶴岡八幡宮の宮司を兼ねていた川尻八幡宮の氏子が継承。以来、川尻八幡宮氏子総代会(八木敏夫会長)が、大しめ縄づくりを担っている。
そうした中、氏子の高年齢化、ワラの確保などの問題により、氏子だけではなく、地域が一体となってしめ縄づくりを担い、安定したワラの確保にも努めようと、大しめ縄づくりの正式な組織をつくることを決定。川尻八幡宮で大しめ縄づくりを始めてから40周年の節目となる今年、川尻八幡宮しめ縄作り保存会(小林徳安会長)を新たに発足させた。「しめ縄づくりに使用するワラは、氏子やその関係者の善意の協力により提供されてきましたが、今後は我々保存会も協力して、ワラの提供者の呼びかけや、協力農家の稲刈りの手伝いなどを行っていきたい」と小林会長は話す。
9本のしめ縄を制作
11月29日、30日の2日間、あいにくの小雨が降りしきる中、川尻八幡宮しめ縄づくり保存会16人と川尻八幡宮氏子総代会26人が協働で、大しめ縄づくりを行った。当日は、約700束にもなるワラを縄に巻きつけ、大小9本のしめ縄を制作、最も大きいもので長さ約13m強、太さ約30cmにも及ぶ迫力あるものになった。
これらは、鎌倉の鶴岡八幡宮の若宮の拝殿をはじめ、川尻八幡宮の拝殿や御神木、JR鎌倉駅などに飾られる予定。八木氏子総代会長は「保存会には、氏子の役員やメンバーも大勢参加しています。地域の大切な伝統行事なので、後世に良い形で引き継いでいきたい」と話していた。
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