相模原市は8月15日、緑区牧野の中尾(八幡神社周辺)でホタルが生息する水辺の自然環境の保全・再生活動を行う「牧野元気創生会」(志村孝夫会長)の活動区域約0・73haを「水辺環境保全等活動区域」に指定した。これは「相模原市ホタル舞う水辺環境の保全等の促進に関する条例」に基づくもので、市内では3カ所目の指定となる。
同条例は自然環境の保全等を図るための方策の一つとして、良好な水辺環境の指標昆虫でもあるホタルの生息環境の保全等に向けた市民らの活動を促進するために2009年に施行されたもの。水辺環境保全等活動区域は、ホタルの生息環境の保全等を行う団体からの申し出により市長が指定し、指定区域においては、ホタルを捕獲して区域外へ持ち出す行為などが規制される。市内では青野原地区、三ケ木地区に続く3カ所目の指定となった。
牧野元気創生会の設立は2010年。同地区内にある「藤野やまなみ温泉」を中心とした観光振興の一環として、周辺の自然環境の整備を始めたことがきっかけ。公園でのアジサイの植栽や峰山の登山道の整備などともに、近年大幅に数を減らしていたホタルの復活に向けた水辺環境の保全活動にも挑んできた。会員19人に加えて、法政大学の学生もボランティアとして参加し、水辺での除草・下草刈りや水路の整備、ホタルのエサとなるカワナニが増える環境づくりなどに取り組んでいる。昨年から本格的に水辺環境の整備を開始し、今年は指定された区域内で数十匹を確認することができた。「30年前にはたくさんのホタルが確認できていました。昔から住んでいる人たちは『またホタルが見られる』と喜んでくれています」と同会のメンバーは話している。
市は8月17日に、同会が指定区域で行う活動に対する認定書の交付を市役所で行った。交付を受けた志村会長は「地域で運営している温泉の活性化に向けて、今後も自然環境の整備を身体が動くまで続けていきたい。ホタルの出現ピークとなる来年の6月には鑑賞会などのイベントも開催したい」と今後の展望を語った。
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