来館者数の増加や地域の文化・歴史の継承を目指し、市が公募していた郷土資料館「吉野宿ふじや」(吉野214)を拠点とした活性化事業の事業者が、NPО法人ふじの里山くらぶ(永井基朗理事長)に決定した。「ふじやは藤野の貴重な財産。施設を生かした様々な事業を展開し、来館者を増やしていきたい」と永井理事長は話す。
吉野宿は、江戸時代に賑わった甲州街道沿いの宿場。その大半は1896年の大火で焼失したが、旅籠の一つ「藤屋」が再建され、当時の吉野宿の雰囲気を伝える唯一の建物として親しまれている。1991年に家主から旧藤野町に寄贈され、以後は地域に伝わる民具などを収蔵・展示する郷土資料館として町が運営。合併後に市に運営が移譲された。2014年4月には相模原市登録有形文化財にも登録されている。
そうした中、来館者数の減少や予算的な理由から、月曜休館の開館日を今年4月から土日祝日のみの開館に変更。さらに「藤野地域をよく知る地元の団体に事業運営を委託することにより、効率的な運営を目指したい」と、事業者を公募する運びとなった。
公募にあたってはプロポーザル方式を採用。市が選考委員会を設置し、市内から2件の応募があった。同館にある資料の活用、来館者数の増加、藤野の文化・歴史の継承、近隣都市との連携など7つの観点を点数化して評価した結果、「ふじの里山くらぶ」が委託事業者に選定された。
ふじの里山くらぶは、様々な体験事業や交流事業を企画することにより、里山の魅力あふれる藤野の自然や文化、伝統を生かして地域活性化を図ろうと活動する市民団体。委託期間は今年の7月1日から来年3月31日まで。同くらぶによると、7月19日から8月27日まで「藤野の養蚕展」、11月1日から12月10日まで「藤野の石造仏展」、来年2月17日から3月25日まで「藤野のおひなさま展」といった企画展を計画している。開催期間中は、平日も開館する予定だ。
永井理事長は「ここ数年、里山くらぶと市と協働した事業を行い、来館者も伸びています。ふじやは、藤野の歴史文化を伝える貴重な財産であり、有力な観光資源です。今回、事業委託されましたので、企画展の他、体験会、ツアーなども実施して、施設を知ってもらうとともに、来館者数を増やしていきたい」と話した。
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