衆議院小選挙区の区割りについて、このほど新たに示された改定案では、相模原市内に関しては現行14区である南区の一部を16区に編入する内容が記された。これまで疑問視されていた行政区内で選挙区が異なる「行政区分割化問題」については解消されない方向だ。
一票の格差是正へ
「一票の格差」是正に向け、衆議院議員選挙区画定審議会(区割り審)が首相に勧告した今回の改定案。その中では、現行14区の一部である南区相南1丁目〜3丁目の一部と4丁目、同区松が枝町を16区に編入することが明記された。加えて、現行13区の座間市から相模が丘地域を16区に編入、それらを合わせて新16区とし、選挙区人口日本一の選挙区が誕生することとなる。
これまで人口最少選挙区との格差が2倍を超え、是正の対象となっていた14区は、この移行により2020年の見込み人口が55万5696人(格差2・002倍)から54万8758人(同1・977倍)となり、一票の格差は2倍以下に縮小される。改定案が、今後関連法の審議とともに国会で協議、承認されれば区割り再編となる。
一方で、今回の区割り再編に対しては疑問の見方もある。県は昨年末に区割り審から求められた意見照会に対し、各首長からの意見を集約し、変更案を提出。相模原市における変更案では、現行16区の南区の一部を14区に編入、現行14区の緑区の一部を16区に編入し、「中央・南は14区」「緑は16区」と区ごとに異なる行政区分割の解消案を示したが、今回の改定案では採用されない形となった。新たな区割り案ではこれまでの行政区分割に加え、同じ相南でも14区と16区に選挙区が割れるなどの矛盾を含む。
これを受け、14区選出の赤間二郎衆議院議員(自民)は本紙の取材に対し「改定案は『区割り審』によって勧告されたものであり、改定方針に基づくものと受け止めている。有権者それぞれ思いがあるとは思うが、まず、周知の不足による混乱がないようにしていくことが大事だ」とし、同じく本村賢太郎衆議院議員(民進)は「1票の格差が是正されたことは評価できるが、知事意見が反映されていない。これでは有権者も落ち着かない。アダムズ方式の早期導入を求める」と話している。
また、16区選出の後藤祐一衆議院議員(民進)は「今回加わった南区相南4町目は、結婚するまで住んでいた地元。日本一人口の多い選挙区の代表として、身の引き締まる思いだ」とし、同じく義家弘介衆議院議員(自民)は「地元選挙区地域はそのまま残るため、日頃より草の根で支えて下さっている後援会の皆様との直接の絆が変わらずに続き大変嬉しく思う。追加された地域の皆様とも与党代議士として、固い絆を築いてまいりたいと思っている」と話した。
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