東日本大震災から1年を迎えた3月11日。日本中が哀悼の祈りに包まれる中、逗子市では市と支援活動を行ってきた市民団体が協力して「忘れない、つなげていく」をキーワードに市内各所で被災地復興支援のイベントを行った。震災が発生した午後2時46分には全ての会場で黙祷が行われ、参加者らは被災地に祈りを捧げた。
JR逗子駅
JR逗子駅前では、逗子ロータリークラブ、宅建協会、逗子葉山青年会議所、逗子市商工会青年部らが共同で献花ブースを設置。ブース内には岩手県陸前高田市の状況や支援活動を伝えるパネルも展示し、メンバーらは駅前を通行する人に「地元逗子から被災地に支援を。ご協力をお願いします」と呼びかけた。
会場には一時は行列ができるなど、多くの人が足を止め、ブースでは親子連れなどが花をたむけ、手を合わせながら心静かに被災地への祈りを捧げていた。
台山緑地
逗子市商工会青年部と市民らでつくる「花咲計画推進協議会」(森岡進会長)は沼間小学校裏手にある台山緑地で桜の苗木を植樹した。
市民の憩いの場づくりを目指して1988年から行っている取り組み。毎年2月下旬に行ってきたが、今年は桜を復興のシンボルにしようと3月11日に合わせた。この日植樹したのは高さ2m〜3mのソメイヨシノ10本で、参加した約80人が手分けして斜面に穴を掘り、丁寧に苗木を植えつけた。植樹を振り返って森岡会長は「いずれ受け入れ態勢が整った際には、我々が育てた桜を被災地に贈りたい」と話した。
第一運動公園
亀岡八幡宮では「かみの市&キャンドルナイト」が行われた。かみの市は「逗子らしい朝市」をテーマに毎月行われているもの。今回は被災地支援の内容を多く取り込んだ。
会場では被災地の支援活動を紹介するパネルや、来場者が「今できる支援」について書き込むボードが設置されたほか、ステージイベントでは被災地の交流を行ってきた逗子高校の生徒らの活動報告、市民が逗子の防災と被災地支援について考える井戸端会議などが行われた。
旧キリガヤ跡地
震災で外部から訪れたボランティアに作業を割り振る「災害救援ボランティアセンター」の重要性が浮き彫りになったことを受け、市と市社会福祉協議会は第一運動公園で同センターの設営訓練を実施した。
会場には主催者の予想を上回る約120人の市民が参加。参加者らはセンターを設置後、5つの班に分かれ、自治会館の避難路づくり、老人ホームでのボランティアなど実際のニーズを想定した活動を体験。砂場の掘り返しに参加した男性は「ボランティアでは活動とその人のマッチングが大事。自分が何ができるかを日ごろから把握することが大切だと改めて感じた」と話した。
亀岡八幡宮
逗子なぎさ通り出口にある(株)キリガヤの跡地では「『笑顔と元気』を被災地へ」をテーマにしたイベントが行われた。会場には被災地の郷土料理や地元食材などを販売するブースがずらりと並び、ひときわ活気を見せていた。また特設のステージでは地元ミュージシャンらが次々と舞台に上がり、来場者に支援の継続を訴えた。
ステージの最後を飾った逗子市出身の2人組ユニット、キマグレンのクレイさんは「この逗子から、復興のメッセージを被災地へ」と詰め掛けた多くの観客に呼びかけていた。
文化プラザ
逗子文化プラザのフェスティバルパークでは市主催の「語り場カフェとキャンドルナイト」が行われた。
会場では逗子高校生が震災当時の様子を紹介したほか、今後の復興支援について参加者らがテーブルごとに分かれて語り合った。また日が暮れると当日のキャンドル教室で手作りしたキャンドルなど700個を「3・11ずし」と並べ、参加者一人ひとりが火を灯した。会場を訪れていた一人は「この明かりを見て一人でも多くの人が被災地に思いを馳せてくれれば」と話していた。
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