小田原・箱根・湯河原・真鶴版
公開:2016年6月18日
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「学校ではいじめられ、家には怖い父親がいてさ」。人と打ち解けられず、漠然と自殺まで考えたという幼少期。引きこもりがちな少年を変えたのは音楽だった。バンドマンだった父の影響で、中学1年の時に小遣いで中古のドラムセットを購入した。学校から帰ると手製の暗幕をひいた部屋にこもり、大音量の『ビートルズ』に合わせ、何時間も練習を続ける日々。「ストレスを発散できる、心の拠り所だった」音楽は今、生涯の趣味となり、40年以上スティックを振り続けている。
スティーヴ・ガッドが憧れというが「全然上達しない」と苦笑い。それでも気の向くままに演奏するのが心地よいのだとか。現在はブルース系のバンドで月に1回程度ライブを開催。かつて畏怖の念を抱いていた父から譲り受けた家業をきっちりと守り、アフター5はドラマーモードに切り替え、仲間たちと好きな音を奏で、旨い酒を呑む。「人生を豊かにする時間だよね」。生きる力を与えてくれた音楽は今も、日々の活力となっている。